日本ポップロックの革命の時期 1980年代後半の佐野元春作品を振り返る



田家:この曲は日本でTHE HEARTLANDとレコーディングされた。

佐野:イギリスのミュージシャンとやってみたんだけど、この日本的な情緒感はなかなか表現しづらかったので、この曲は日本に持って帰ってTHE HEARTLANDと録りました。

田家:作詞もロンドンでされたんですか?

佐野:そうです。俳句みたいな詞です。雪は雪、白は白とか俳句みたい。

田家:これも改めて気付いたんですが、手塚治虫のアニメーションをイメージしてお書きになった?

佐野:『ブッダ』からインスパイアされました。手塚治虫さんは幼少期から僕の尊敬する方で、一度会いに行きました。そして成長してから、この曲を手塚治虫さんに捧げようと思って書いた。手塚さんの所にこの曲を持って行こうとしたら、亡くなられてしまったんですけどね。

田家:1989年9月に手塚さんは亡くなられましたもんね。幼少の頃というのは手塚治虫さんはかなり影響力があったという。

佐野:はい。『鉄腕アトム』がきっかけでした。その後に、手塚治虫サイエンス・フィクション、手塚治虫ヒューマニズムに触れました。

田家:色々な音楽から受けてる影響と同じように、手塚治虫さんも大きな存在だった。そして1989年9月に手塚治虫さんが亡くなられて、これはロンドンレコーディングが終わってすぐだった。この曲を聴いてもらう機会がないままに終わってしまいました。

Rolling Stone Japan 編集部

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