1997年、当時27歳だったモデルの女性が全米オープンでドナルド・トランプ氏から性的暴行を受けたとして現大統領を告発した。エイミー・ドリスさんが英ガーディアン紙に語ったところでは、大統領はテニストーナメント会場のVIPボックス専用トイレの外で彼女に近づいてきたという。その後、キスや身体への接触を迫ってきたそうだ。
「彼が無理やり舌を押し込んできたので、私は押し返しました」と、ドリスさんはガーディアン紙に語った。「すると彼はより力を込めて握り、まさぐるようにして、手で私のお尻や胸や背中、身体中あちこち触り始めました」
ドリスさんが初めてトランプ氏と出会ったのは、当時交際していた雑誌出版者でトランプ氏の友人でもあるジェイソン・ビン氏に誘われて、ニューヨークシティへ週末旅行に出かけたときだった。暴行があったとされる日の前日に、ビン氏と一緒にトランプ・タワーへ行き、そこで同氏と会った。「初対面からすごく押しが強かったです」と、ドリスさんは当時のようすをガーディアンに語った。「自分は欲しいものを手に入れて当然だ、と思っている人たちにありがちなふるまいでした」
トランプ大統領は弁護士を通じて、ガーディアン紙に容疑を否認。暴行があったとされる日の翌日にはジャンニ・ヴェルサーチの追悼式が行われ、ドリスさんも参列していたが、式の間ずっと自分の隣に座っていたと指摘した。同じく弁護士を通して、告発のタイミングが11月3日の大統領選挙に近い点も強調した。
ガーディアン紙に掲載された事件当時の写真には、トランプ大統領と並んでポーズを取るドリスさんが写っていた。ドリスさんは母親と友人、セラピストに事件について語っていたようだ。母親らもドリスさんから同じような話を聞いたことを認めている(ガーディアン紙はビン氏にコメント取材を依頼したが、返答は得られなかった)。
わいせつ行為でトランプ大統領を告発した女性は、ドリスさんで26人目。
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