Nothing’s Carved In Stoneは2018年に所属していた事務所を離れ、自らの事務所を立ち上げた。そんなDIYで動き出した矢先に襲ってきたコロナ禍。だが、バンドはポジティブに未来を見据えている。8月26日にセルフカバーアルバム『Futures』をリリースしたNothing’s Carved In Stoneの村松拓(Vo, Gt)生形真一(Gt)に独立から現在、そして未来を聞いた。
―まずは改めて事務所独立の経緯を教えてください。
村松:長い目で見て、もう一回地に足をつけて活動したくない?みたいな話をメンバー各々で考えていた期間が3年くらいあったよね?
生形:うん、各々で考えていましたね。ナッシングスを10年やってきて、やっぱり各々思うところがあったんです。今後のバンドとしての人生を考えた時にこのままでいいのか、それとも全部自分たちでやるのかっていうのをみんながなんとなく考えてて。それで2018年に10周年で武道館をやるのを区切りにして独立して自分たちでやってみようかってなったんです。
―事務所に属していることで行き詰まりを感じていたんですか?
生形:行き詰まりを感じていた部分もあるし、逆に独立して思ったのは、すごく守られていたんだなぁということですね。システムが出来上がったところにポンっと入っていったわけだから、何も考えずに俺らは制作してライブやってたし。それが独立したとたんにシステムから作らないといけなくて。だから最初はめちゃくちゃ大変でしたね。まずどうやってCDを流通させたらいいのかも正直わかんなかったですし。だからCDを売るのにどこの流通会社とやるか、まずそこから話したし。ポスコードとかそういうCDを売るために必要なものも、全然わからないし、スタッフもいないので自分で覚えなきゃいけなくて。っていうのをやってたのが2018年の年末から2019年の3月くらいまでです。だから独立当初はバタバタしてましたね。ただ、少ししてマネージャーが入ってきて引き継いだんです。でも最初は俺と、もう一人社長がいるんですけど、彼と2人でいろんな会社に行って、話を聞きました。もちろん、前の事務所に相談したし。別に仲違いしたわけじゃないんで。
―クリエイティブ以外の時間を割くっていうのはどうでした?
生形:やるしかないからと思って。でもすごくいい勉強になりましたよ。
―例えばどんな穫がありましたか?
生形:収穫としてはなんだろう?でも、それをやるっていうことに意味があるなと思いましたね。全部自分たちでやることは気持ちいいなと思います。責任も全部自分たちにくるし。ただ、制作とか直接音楽に関わることに関しては、そこはミュージシャンでいたいと思っていて。なのでスタジオもちゃんとしたとこを使わせてもらってます。削減しようと思ったらできるじゃないですか、今の時代。遠隔で曲も作れるし。だけどそこはちゃんとスタジオでやってます。どこに重点を置くべきかは忘れないようにやってきたつもりですし、そこだけは譲っちゃいけないところだなっていうのも改めてわかりました。