はっぴいえんど、遠藤賢司、金延幸子など「日本語フォーク/ロックの源流」名曲15選

斉藤哲夫「悩み多き者よ」(1970年)


早川義夫に見出され、“若き哲学者”と呼ばれた斉藤のデビュー・シングルA面。ボブ・ディランとジョン・レノンの影響下でこの曲を書き上げた時、斉藤はまだ二十歳前だった。印象的なピアノを弾いたのは渡辺勝(はちみつぱい〜アーリー・タイムス・ストリングス・バンド)。アルバム『君は英雄なんかじゃない』(1972年)には再録音ヴァージョンが収められた。後年オフ・コースがこの曲をカバー。それが縁で2006年、小田和正のテレビ番組『クリスマスの約束』に招かれ、共演を果たした。


遠藤賢司「雨あがりのビル街(僕は待ちすぎてとても疲れてしまった)」(1970年)


1969年、東芝のEXPRESSレーベルからシングル「ほんとだよ/猫が眠ってる」でデビュー。ファースト・アルバム『niyago』はURCで制作され、バックにはっぴいえんどから細野晴臣、鈴木茂、松本隆が参加した。この曲は、そのはっぴいえんどもライブでカバーしたことで知られる。アコギと歌唱のデリケートなニュアンスを活かした編曲のさじ加減が絶妙。2014年に発売された『ひとりぼっちのNIYAGO』は『niyago』の直前に録音された音源で、シンプルな弾き語りヴァージョンが聴ける。


遠藤賢司(Photo by Shoji Hori)


加川良「教訓1」(1971年)


URCの楽曲を管理する音楽出版社で働いていた加川は、この曲を1970年の中津川フォーク・ジャンボリーで歌い、一躍URCの看板スターに。翌71年のファースト・アルバム『教訓』にも収められたこの反戦歌は、上野瞭の「教訓ソノ一」を下敷きにして生まれたものだ。加川は2017年に他界したが、その翌年、加川と交流があったハンバート ハンバートが『FOLK 2』で歌詞を一部変えてカバー。そのヴァージョンを自宅で弾き語る動画を女優の杏がYouTubeで公開し、突如「教訓1」が注目されたことも記憶に新しい。


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