『DUNE/デューン 砂の惑星』予告編公開で、ピンク・フロイドのストリーミング数が激増

『DUNE/デューン 砂の惑星』予告編の公開後、ミレニアル世代や初体験リスナーの間でピンク・フロイドの「狂気日食」のストリーミング数が一気に増加(© 2020 Warner Bros. Entertainment Inc, Michael Putland/Getty Images)

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の映画『DUNE/デューン 砂の惑星』の予告編が解禁。その映像には、ロック史上もっとも愛されたピンク・フロイドのアルバム『狂気』のラストトラック「狂気日食」のリアレンジ・バージョンが使われているのだ。

サウンドトラックとしては最高の組み合わせだ。コアなSFファンと古典ロックファンが被っているじゃないか、と思うかもしれないが、予告編公開後のストリーミング数を見ると、これまでに全米で1500万枚、全世界で4500万枚のセールスを記録した『狂気』は、まったく新しい層によって再発見されているようだ。

【動画】『DUNE/デューン 砂の惑星』予告/1分52秒あたりから「狂気日食」が流れる

ローリングストーン誌の音楽チャートを運営するAlpha Dataによると、9月9日に『DUNE/デューン 砂の惑星』の予告編が初公開されて以降、「狂気日食」のオンデマンド音声ストリーミングは50%増。デジタルセールスは1750%も跳ね上がったという。

1973年のアルバム『狂気』のラストトラックが新たな注目を浴びたことにより、波及効果でアルバムの他の楽曲のストリーミング件数も前日比12%増だった。

データによると、こうしたリスナーの多くはそれまでローリングストーン誌が選ぶ歴代ランキング第43位のこのアルバムを聞いたことがなかったようだ。Spotifyでも「狂気日食」のストリーミングは54%アップしたが、9月9日にこの曲を初めて耳にしたというユーザーが86%を占めていた。

Spotifyも指摘しているように、こうした再発見の大半は主にミレニアル世代によるものだ。『デューン』も『狂気』もベビーブーマーやジェネレーションXの間ではカリスマ的人気を誇るものの、おそらく若い音楽ファンにとって1973年のアルバムは「父親のレコードコレクションの1枚」でしかなかったようだ。

俳優ティモシー・シャラメを起用したことで、「スパイス」をめぐる宇宙空間の勢力争いを描いたフランク・ハーバート作の400ページのSF小説が新たな年齢層にアピールしたように、Spotifyでも「狂気日食」に同じような効果が見られた。この曲のストリーミング数は25~29歳で75%、18~24歳では65%もアップした。さらにストリーミング番組の分野でも、Pandoraで「日食」ステーションを立ち上げたリスナーが倍増している。

だが『デューン』による不朽の名作『狂気』の再発見も、2017年8月の皆既日食の時には及ばない。北アメリカ大陸横断皆既日食の後、「狂気日食」のストリーミング数は日食前日と比べて460%も増加した。

【画像】1970年代を代表する「SF映画」ランキング50(写真)

Translated by Akiko Kato

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