ミック・ジャガーとキース・リチャーズが語るバンド屈指の問題作、再びステージに立つ覚悟

1973年のローリング・ストーンズ(Photo by Aubrey Powell)


コロナ禍での日々「寝る時もマスクを付けてるよ」

2020年初旬、ストーンズは大規模なツアーの開始を心待ちにしていた。しかしパンデミックにより全日程が延期されると、彼らはエネルギーを別の方向に向けるようになった。ジャガーはヨーロッパの自宅でドキュメンタリー制作や曲作りを進めながら、体調管理には常に気を配っているという。「よく歌ってるし、運動も欠かさないようにしてるから、体の調子はバッチリさ」彼はそう話す。「俺は恵まれてる方だし、悲嘆にくれてるわけじゃない。でもやっぱり、ステージは恋しいよ」


2019年8月18日、カリフォルニア州サンタクララのLevi’s Stadiumで行われたザ・ローリング・ストーンズのライブ。左からロン・ウッド、ミック・ジャガー、チャーリー・ワッツ、キース・リチャーズ。(Photo by Chris Tuite/imageSPACE/MediaPunch /IPX/AP)

「前回のツアーはすごく楽しかったよ。全編通して最高だった」ジャガーの心臓手術のわずか数週間後に開始した2019年のツアーについて、リチャーズはそう語っている。ジャガーは手術の影響をまるで感じさせない圧倒的なパフォーマンスを見せつけ、「ハーレム・シャッフル」や「シーズ・ア・レインボー」等のレア曲も披露したそのツアーは、大雨に見舞われたドラマチックなマイアミ公演で幕を閉じた。「状況の深刻さがはっきりし始めた3月には、正直がっくりきたよ」リチャーズはそう話す。「その1週間後、最初の数公演を中止すると知らされて、俺はこう言った。『事態はきっと手がつけられなくなる。ツアーに出るのは無理だ』」

今年の夏、彼はコネチカットにある自宅でおとなしくしているという。「ごくたまにドライブに出かけて、カフェに寄るぐらいさ」彼はそう話す。言うまでもなく、外出する際にはマスクを着用するようにしている。「バッチリ顔を覆ってるよ」彼はそう話す。「今や義務みたいなもんだろ。俺なんか寝る時でも付けてるよ」。ボブ・ディランの『ラフ&ロウディ・ウェイズ』が最近のお気に入り(「彼の新作は最高さ。ボブに幸あれ」)だという彼は、自身も曲作りに励んでいるという。4月下旬、ストーンズは2012年以来8年ぶりとなる新曲「Living In A Ghost Town」を発表した(当時のインタビューはこちら)。「曲自体は随分前からあったんだ」リチャーズはそう話す。「3月にミックと話した時に、俺から提案したんだ。あの曲を出すなら、今がその時だってね」



ジャガーは同曲についてこう語っている。「最近レコーディングした曲のひとつで、今のムードにフィットすると思った。歌詞を書いたノートを読み返してみたんだけど、疫病が蔓延した町で幽霊のように生きることについての曲なんだ。今のムードを反映したラインを少し加えて、ヴォーカルを録り直し、自分で弾いたギターパートやその他にも手を加えた。今は同時期に作った別の曲群に歌を入れ直してるところで、近いうちに仕上げるつもりさ」

バンドはそれらの曲群を、そう遠くないうちに発表する予定だという。「ペースはゆっくりだけど、5〜7曲は公開できるんじゃないかな」リチャーズはそう話す。「今の状況を考えると、通常とは違う形で発表することを検討すべきなのかもしれない」

Translated by Masaaki Yoshida

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