Napsterが再起、ライブストリーミング会社と仕掛ける新しい試みとは?

急成長中のライブストリーミング・エコシステムにおいてもっとも頭角を現している会社MeolodyVR(Courtesy of MeolodyVR)


気軽に音楽を楽しむ人々にとってNapsterといえば、P2P音楽共有サービスを通じてユーザーの音楽著作権侵害を招き、物議を醸した暗い過去のイメージがいまだに根強い。だが、当時Napsterを運営していた会社は、もはや存在しない。メタリカやドクター・ドレーをはじめとするアーティストから提訴され、2000年代は身売りを繰り返した結果、Napsterは破産に追い込まれたのだ。2011年にはオンラインミュージックストア兼ストリーミングサービスを運営する米Rhapsodyと合併し、2016年にRhapsodyは同社の音楽配信サービス名をNapsterに改名した。

現在Napsterは300万人の有料会員を抱えており、企業向けのサービスを提供する一方で消費者向けのビジネスも行っている。世界最大手の音楽ストリーミングサービス会社であるSpotifyが3億人近いユーザーと1億3800万人という有料会員を抱えていることを踏まえると、ストリーミング市場におけるNapsterの会員数は比較的少ない。だが、Napsterという馴染みあるブランド名が有利なのも事実だ。Rhapsodyの親会社である米RealNetworksは、現在同社の株式の84パーセントを所有しているが、MelodyVRはこの買収を数カ月以内に完了させたいと考えている。

Napster買収によってMelodyVRはApple MusicとSpotifyが君臨する録音された音楽のストリーミング市場という激戦区に参入することになるわけだが、Spotifyでさえ安定した利益を生み出せない状況では、録音された音楽そのものが頼れる存在とは言い難い。それでもマチェット氏は、偏在している音楽ストリーミング会社をMelodyVRの直接的なライバルとみなしていない。なぜならMelodyVRは、まったく別の体験を提供するから。とはいってもマチェット氏は、Spotifyによる一連のポッドキャスト買収やAppleのラジオチャンネルのように、大手音楽ストリーミング会社が録音された音楽の枠を超えて多様化しつつあり、これによって同社の領域が侵害されるおそれがあることも理解している。

「歴史的に見て、録音された音楽を扱う大手ストリーミング会社は、コンテンツの製作者ではありません」とマチェット氏は語る。「レーベルからコンテンツを入手することは可能ですが、私たちのように新しいコンテンツを創ることはできません。彼らは、イベントの権利を手に入れるため、放送会社に大金を払うかもしれません。でも繰り返しますが、それは彼らのコンテンツではないのです。私たちは、ここに別の角度から切り込みます」。



Translated by Shoko Natori

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