1970年代、音楽の舞台で再び活躍したエルヴィス・プレスリーを辿る



FM COCOLO「J-POP LEGEND FORUM」番外編"全てはエルヴィスから始まった"Part5、最終週は1970年代。今年が亡後45回忌、エルヴィス・プレスリーの軌跡を1ヶ月に渡って辿ってきました。今流れているのは、番組の後テーマ曲、竹内まりやさんの「静かな伝説(レジェンド)」です。

1970年代のエルヴィス・プレスリーは30代ですよ。1960年代の終わりから1970年代の初めにかけては、10代、20代の若者が30代以上は信じるなと言われていた時代の30代です。1970年というのは、ジャニス・ジョップリンとかジミ・ヘンドリックスらが亡くなった年です。『エルヴィス・オン・ステージ』を観たときにとっても嬉しかったんです。昔の恋人のような存在が元気でこうやって歌っているという姿がすごい懐かしくて、でもどこか遠い気もしました。改めて1970年代の作品を聴きなおしたり、色々読んで思ったことがありました。それは僕らが子供だったということ。僕らが若かったんです。ロックの歴史ということも、アメリカという国のことも、音楽とは何か? 歌の中の精神性とは何か? ということまで考えることができなかったのかもしれない、と思いました。こんなに大きく歴史を変えて、こんなに見事に成長した青年、エルヴィス・プレスリー。そして、歌とは何か? という究極の次元に行き着いた人だったんだなあ、と改めて思います。1970年代のバラードは本当に素晴らしいです。45回忌というのは、何かの区切りになるのか分かりませんが、こういう仕事をしてきた自分にとって、僕はここから始まったんだなということを感じさせてくれました。




<INFORMATION>

田家秀樹
1946年、千葉県船橋市生まれ。中央大法学部政治学科卒。1969年、タウン誌のはしりとなった「新宿プレイマップ」創刊編集者を皮切りに、「セイ!ヤング」などの放送作家、若者雑誌編集長を経て音楽評論家、ノンフィクション作家、放送作家、音楽番組パーソリナリテイとして活躍中。
https://takehideki.jimdo.com
https://takehideki.exblog.jp

Rolling Stone Japan 編集部

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