AK-69、名古屋城をバックに生き様を記した「超配信ライブ」

<地方馬がダービーを制する>という彼の表現の源泉をラップする「IRON HORSE」から、「Ding Ding Dong ~心の鐘~」を挟み、同郷の新鋭・ヤングトウカイテイオーこと¥ellow Bucksを招いた「Bussinʼ」へ。いきなり目が離せない超クールなパフォーマンスが続く。とにかく全編を通してフィーチャリング・アーティストとの共演が悉く凄すぎた。「Bussinʼ」から畳み込むように、MC TYSON、SWAY、R-指定の3人でリレーする「Speedinʼ」へ。中盤のIOを迎えたクールなナンバー「B-Boy Stance」や、ZONEを迎えて死生観を歌う「If I Die」まで、いずれも目が覚めるようなハイライトである。

「自分が現役でいることで後輩のラッパー達に良いバトンを渡せる」ーーそれは先日取材した際の彼自身の言葉だが、「If I Die」を歌い終えた後のZONEが口にした「光栄です」という言葉からは、AK-69のキャリアの重みが透けて見えた気がした。天井知らずの野心家でありながら、決して自身の活動だけを見ているわけではない。彼のラップシーンへの眼差しが多面的に表現されているようにも思う。



一転、フレンドリーな空気に変わったのが、“69Homies”(AK-69のファンの呼称)の女性ファンとZOOMで繋がった時。スイートな「BECUASE YOUʼRE MY SHAWTY」を披露し、その後男性ファンとワインを乾杯しながら、「もしよければ」をパフォーマンス。生ライブができない中、少しでもリスナーとの交歓を生み出そうとした工夫だろう。単にバリエーションのある楽曲を聴かせるということではない、「思いつくことは全部やる」というショーマンとしての性を感じた瞬間だ。

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