ギターに未来はあるのか? トム・モレロが力説「歴史上発明されたなかで最も偉大な楽器」

2017年、プロフェッツ・オブ・レイジの一員として演奏するトム・モレロ(Photo by Erika Goldring/Getty Images)

レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのギタリスト、トム・モレロがギターの未来を語る。さらに、彼が黒人であることを飲み込めず、バンドの政治性を(今更)批判するファンについても。

トム・モレロが先ごろ、ロサンゼルスの自宅からローリングストーン誌の取材に応じてくれた。ギターを軸にしたロックについて言えば、トム・モレロ自身は「消えかけの灯りに逆らって暴れている」のだという。ポッドキャスト「Rolling Stone Music Now」とビデオシリーズ「RS Interview: Special Edition」双方に収められた直近のインタビューで、数あるトピックと並んで、彼が手にした楽器の緊迫した未来について言及した。

●【画像を見る】LAの自宅にいるトム・モレロ

「90年代のはじめには、誰もがギターミュージックなんて終わったと確信していた」とモレロは語る。彼は新しいフォトブック『Whatever It Takes,』や、オーディオブック『Tom Morello at the Minetta Lane』のなかで自らのキャリアを振り返ってもいる。

「というのは、いまじゃDJがギターをサンプリングできるから、もうギターのプレイヤーなんか必要なくなるんだっていうね。だから思ったんだ。もし奴らのやってることを自分のギター、この2本の腕、マーシャルのアンプで演奏してやったらどうなるか試してやろう。DJを時代遅れにもできるかもしれない、って。それには失敗したんだけどね! 戦いに燃料を注ぐ方法だった。(2018年のソロ・アルバム)『ジ・アトラス・アンダーグラウンド』でやったのはまた別の方法で。ギターをこれまで同様にヘヴィに、これまで同様に同時代的に鳴らしたいと思った。今もヘヴィなギター・ミュージックを続けているよ。未来を見据えたものを」

「リフ主体のロックも、ギター・ソロも好き」と彼は続ける。

「けど、もう19枚もレコードをつくってしまったし、そういうことを自分で繰り返したくもない。ギター・ミュージックはジャズみたいな道をたどるかもしれないし、そうやってクラブでのショーに格下げされてしまうかもしれない。またライヴをやるようになったとしてもね――とはいえ、そうなってしまうともあまり思ってないのだけれど。だってCOVID-19以前は、レイジでもフー・ファイターズでもレッド・ホット・チリ・ペッパーズでもナイン・インチ・ネイルズでもいいけど、こういうアクトは未だにたくさんチケットが売れていた。だから、期待しているんだ。これまでに作られたなかで最も偉大な楽器と僕が信じるあの楽器を手にとる、未来の世代がいるはずだって。エレキギターを提げて、ディストーションペダルを踏み、コードを鳴らす。あんな感覚は他にないし、これまでもなかった。これまでになかったようなやり方で、爬虫類のDNAにも共鳴するんだ」

Translated by imdkm

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