ディーヴォのマーク・マザーズボウ、新型コロナ感染で「死にかけた」と告白

ディーヴォのマーク・マザーズボウ(Photo by Katy Winn/AP Images)

ディーヴォのフロントマンであるマーク・マザーズボウは6月、18日間にわたってロサンゼルスのシーダーズ・シナイ病院に入院してCOVID-19と闘病。人工呼吸器につながれ、しばしばせん妄状態になったという。ロサンゼルス・タイムスでのインタビューで明かした。

マザーズボウが考えるに、彼が件のウィルスに感染したのは5月末、自身の音楽制作会社であるムタート・ミュージック社内で、訪問者の近くで仕事したときだろうという。初期症状は単なる疲労だと片付けてしまっていたが、熱が39度を越えたときには妻に助けを求めた。「翌朝に看護師が来て、『ICUに入るべきだ』と言ってきた」とマザーズボウは回想する。「私は『バカバカしい』と言ったんだ。しかし彼女は、自分は30年も看護師をしてきたんだと答えて、こう続けた。『すぐに救急車を呼ぶので』」

マザーズボウの妻であるアニータ・グリーンスパン曰く、この看護師が彼の命を救った。彼は続く2週間をシーダーズ・シナイ病院で過ごし、呼吸するにも人工呼吸器の力を借り、苦境のなか、ほとんどの時間せん妄状態にあったという。「よく文房具を買う好きな書店があるんだけど、心の中ではそこに居る気分になっていたな」と彼は語る。「あの2週間のあいだ、私はリトル・トーキョーで誰かにレンガで殴られたんだと信じ込んでいた」

「殴られて血が出ている気がした」と彼は続ける。「手錠をかけられて、ダウンタウンの駐車場につながれていたんだ。この子どもたちが救急車の企業に自分を売り払ったんだという事細かな物語が自分のなかにつくられていた。子どもたちはCOVID-19の患者を自分たちのICUに運んでなんらかの稼ぎを得てるんだ、と。完全に信じ込んでいたね」

マザーズボウの家族は、入院中の彼に面会することができなかった。家族はビデオを通じて継続的に連絡をとり、彼の正気を保ってしっかりした状態を保つためにできる限りのことをした。特に、せん妄状態の彼が病院を脱出しようとして、彼をベッドに拘束したときは大変だった。「もし誰かCOVID-19でICUに入っているという人を知っているなら、連絡をとって病室の外の世界に触れさせてあげてほしい」とマザーズボウは語る。「だって、自分がどこにいるのか、なぜそこにいるのか簡単に見失ってしまうから。私は自分が10日間も人工呼吸器につながっていたなんてまったくわからなかった。時間が意味をなさなくなるんだ」

マザーズボウの不調から先立つこと1カ月、彼はローリングストーン誌の電話インタビューに答えて、自身のキャリアでも重要なテレビ/映画のサウンドトラック10選について語っていた。そのインタビューの記事にしなかった部分で彼は、ディーヴォはこのパンデミックが直撃しなければちょっとしたツアーに出る予定だったと明かしていた。

「9月に3、4ほどライヴをする予定だった」と彼は語る。「そのうちのひとつ(クルーエル・ワールド・フェス)はモリッシーを中心としたものだった。他にも、ニューヨークでのフェスティヴァルとか、クリーヴランドでもなにかやる予定だった」

Translated by imdkm

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