1960年代のエルヴィスは、どう映画の世界から音楽に回帰していったのか

今週は4週目、1960年代編。1950年代と1960年代でどう変わったのか? 先週と先々週と聴いていただいて感じていただけたら嬉しいのですが、キング・オブ・ロックンロールからキング・オブ・ポップに変化していった。その舞台が映画だったんですね。1958年に陸軍に入隊しました、除隊したあとの第1作『G・I・ブルース』がヒットし。そして、先週特集した映画『ブルー・ハワイ』が世界的に大ヒットしたんですね。でも『ブルー・ハワイ』は除隊してから4作目の映画なんです。その間に『燃える平原児』と『嵐の季節(1961)』という映画があった。『燃える平原児』は白人とインディアンの血が混じった青年の話ですね。『嵐の季節(1961)』は小説家を志す内向的な青年役なんです。歌がメインの映画じゃなかったんですね。『燃える平原児』では2曲しか歌っておらず、『嵐の季節(1961)』は4曲です。この頃のエルヴィスは歌よりも俳優に関心があったという記録がありますね。でも、『ブルー・ハワイ』が大ヒットして路線が決まってしまったんです。1960年代は映画を中心に挑んだ、それが今日お送りする時代です。でも時代は変わっていくものです。ビートルズが登場しました、アメリカにはヒッピーも出てきます。その中でずっと映画に出ていたエルヴィスが、再び音楽に戻ってきたのがこの『Elvis Tv Special』なんですね。1968年12月にアルバムが発売になりました。この時のテレビの視聴率がなんと70.2%だった。ここに至る経緯が今日のテーマです。彼はどういう風に音楽に戻っていったのか? 今日の1曲目は『ブルー・ハワイ』が公開された後に出た最初のNo.1ヒットです。1962年3月発売、「Good Luck Charm」。



これが17作目のチャート1位。この後に1位になるのが、なんと1969年9月に出た『Suspicious Minds』なんですね。それまでを振り返ってみますと、1956年は5曲で1位、1957年は4曲1位だった。除隊した1960年は3曲が1位だったんですが、1962年から1969年まで1曲もチャート1位の曲がなかった。そういう1960年代を辿りなおしてみます。

Rolling Stone Japan 編集部

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