スティーヴィー・レイ・ヴォーンの死から30年、クラプトンらと共演した最期のステージを回想

当初ツアーは劇場で、ヴォーンとダブル・トラブルがヘッドライナーを務める形でスタートしたが、やがて大規模なアリーナや屋外劇場へ会場を移し、ジェフ・ベックやジョー・コッカーといったアーティストとのジョインで行うようになった。アルパインヴァレーでの最終公演では、4万人の観客を前にエリック・クラプトンのオープニングアクトを務めた。ヴォーンのステージは「Pride and Joy」「Couldn’t Stand the Weather」「Crossfire」などのオリジナル曲に、スティーヴィー・ワンダーの「迷信」、バディ・ガイの「Leave my Girl Alone」、ジミ・ヘンドリックスの「ヴードゥー・チャイルド(スライト・リターン)」といったカバーが織り交ぜられた。

エリック・クラプトンのステージ終盤、ヴォーンはバディ・ガイ、ロバート・クレイ、兄のジミー・ヴォーンとともに再びステージに登場。伝説となった16分のジャムセッションでロバート・ジョンソンの「Sweet Home Chicago」を演奏した。今回はその演奏をご覧いただこう。ヴォーンの最期のパフォーマンスだ。「(あれは)言葉では語りつくせなかった」 1993年、クラプトンはこう語った。「欠けているものは何もなかった。これ以上手を加える必要もまるでなかった」

2015年、ヴォーンは没後ダブル・トラブルとともにロックの殿堂入りを果たした。「彼は想像を絶する勇気の持ち主でした。薬物とアルコールの依存症という悪魔に打ち克とうとしたのですから。そして克服したとき、彼はギタープレイヤーとして前よりも成長してステージに戻ってきました」。殿堂入りの際のスピーチで、ジョン・メイヤーはこう述べた。

「よく会話の中で、とくにギタープレイヤーのことを語る際に“wannabe”(~もどき)という言葉が出てきます。偽物とか胡散臭いとかいう意味ですが、本来の意味をただせば“want to be”(~志願)です。とても重要な存在、意義ある存在になりたいと願うのは、最高の人生の過ごし方です。僕はスティーヴィー・レイ・ヴォーンのようになりたい。僕は彼のwannabeです」

From Rolling Stone US.

Translated by Akiko Kato

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE