17歳の美少女、ビアンカ・デヴィンズの短い生涯と拡散された死|2020上半期ベスト5

ロブとの関係と家出癖

キムやビアンカの友人、そしてロブ本人によると、ビアンカとロブの関係はとても良いと言えるものではなかった。ロブは薬物中毒と双極性障害を抱えており、2人は「お互いに依存し合っていた」とキムは言う。彼女とビアンカの友人は、ロブがビアンカの後を付け回し、彼女のSNSアカウントを監視しようとしたり、いきなり家の前に現れたりしたと非難した(ロブはストーカー行為を否定し、ビアンカがアカウントのパスワードを教えてくれたのだと主張している)。

その冬、ビアンカが他の男性とメッセージをやり取りしていることをロブが責め、2人は破局した。ビアンカのネット友達によると、彼は仕返しに、2人で撮った卑猥な写真をビアンカの承諾なくDiscordのユーザーに送り付けたという――撮影当時、彼女はまだ15歳だった(彼本人も画像を投稿したことは認めているが、ビアンカもシェアするつもりだと思ったと主張している)。ビアンカは母親にスクリーンショットを見せ、2人で警察に通報した。だがロブが自殺すると脅すと、ビアンカは捜査への協力を拒むようになってしまった。「あの子の判断は道理が通っていませんでした」とキム。

ロブの言動にも拘わらず、ビアンカは彼とよりを戻そうと何度も家出を繰り返した。ユーティカ警察によれば、キムは2017年8月から2018年6月までの間に少なくとも3回、娘の捜索願を出している。ビアンカがなぜ自分のところへ何度も戻ったのかという質問に対し、ロブはただこう答えた。「彼女はものすごく寂しかったんだ。あのとき、彼女には誰も頼れる人がいなかった。俺が唯一の選択肢だったんだ。一人ぼっちでいるか、俺といるか、最悪の2択のうち、マシな方を選んだのさ」


友人であり良き理解者でもあったメイ・シャルドネが撮影したビアンカの写真

キムの話では、この頃ビアンカは精神科のカウンセラーの1人に、立体駐車場の屋根から飛び降りようと考えたことがあると語ったそうだ。その後彼女はユーティカのパインフィールド精神病院に1カ月間収容された。どうやら彼女はパインフィールドでの時間を楽しんでいたようだ。家族はピザやチキンウィングを差し入れし、施設内では人気者だった。「実際、『久しぶりに友達ができたような気がする』とまで言っていたんですよ」とキムは言う。だが退院後するや、ビアンカは再び家出してロブとよりを戻した。

娘の家出を止められなかったキムは、ビアンカを要監督少年プログラムに登録し、裁判所命令でビアンカの足首に監視装置をつけ、自宅監視下に置いた。キムが見せてくれた動画のひとつには、ビアンカがリマーの子供に「好きにならずにいられない」をウクレレで弾き語りする姿が映っていた。そのジーンズの裾から足首の監視装置が覗いている。2018年6月、彼女は裁判所命令に背いて監視装置を切除し、再び家出した。

Translated by Akiko Kato

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