カニエ出馬は「問題になりかねない」と専門家、民主党バイデン候補の脅威となる可能性

専門家が証言、カニエ出馬はなぜ大問題なのか?

ウィスコンシンのような州でウェストが投票用紙に記載された場合、2016年に第三党の候補者の存在がヒラリー・クリントン候補の敗北を左右したのと同じように、バイデン候補の勝算に大きく響く可能性がある、と彼女は言う。たしかにトランプ氏はいくつかの激戦州で決定的勝利を収めたが、一部の報道では、他の候補者の影響――彼女が「第三党離反」と呼ぶもの――が見過ごされている。

「第三党の存在の重要性を、私は第三党離反と呼んでいます」とビテコファー氏。「ドナルド・トランプ大統領についていえば、メディアでは(2016年)中西部での勝利が要因だとよく言われています。たしかに、トランプ氏はこれらの州で逆転勝利を収めました。ですが数字をよく見ると、実際はそうではないんです」

そう言ってビテコファー氏は、データの分析結果をくわしく説明した。「たしかにオハイオ州やアイオワ州をみると、彼は決定的勝利を収めています。ですがウィスコンシン州などでは、実際にはかなりの票が第三党に投じられていました。ゲリー・ジョンソン候補や緑の党、それから自書式投票による書き込みです。非常に珍しいことですよ。書き込み投票の内容はわかりませんが、私の予想では大半がバーニー・サンダース氏ではないかと思います」

2016年、ドナルド・トランプ氏が過半数の票を獲得できなかった点も重要なポイントだとビテコファー氏は言う。「第三党離反に注目すると、ドナルド・トランプ候補とクリントン候補の得票差は約0.7ポイントでしたが、第三党の得票率はこれをはるかに上回っているんです。ほぼすべての激戦州を見てみると、たしかにドナルド・トランプ候補が勝利していますが、ほとんど横並び状態です。得票数は過半数の50%に届いていないんです」

さらに彼女はこう続ける。「なぜなら、両候補の得票率の合計は92~95%、残りが第三党離反票です。いつもの3~5倍増しです。中には、最近行われた他の選挙よりもはるかに増えた州もあります」

2016年の選挙結果と大統領の支持率伸び悩みを踏まえれば、トランプ陣営ができるだけ多くの州でウェストの名前を投票用紙に記載し、第三党票で大統領を再選させようとしている可能性は非常に高い、とビテコファー氏は警告した。

「トランプ大統領の再選戦略を見た場合、私は2年ほど前から申し上げているんですが、ドナルド・トランプ陣営にとってみれば大問題ですよ、そうでしょう?」とビテコファー氏は言う。「自分たちの候補者は最初の選挙で50%の過半数票を獲れず、一般投票数でも劣り、支持率も上がらない。今回も勝てる見込みはない……どうすれば再選させられるか? と考えたときに、はっと気づくんです。そうだ、2016年は第三党票が大きく左右した。今回も同じ手を打たなかったら大変なことになるぞ、と」

Translated by Akiko Kato

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE