BTSの所属事務所、ビック・ヒット・エンターテインメントが年内上場へ

Andrew Lipovsky/NBCU Photo Bank/NBCUniversal/Getty Images

韓国の大人気アイドルグループBTSは、あらゆるジャンルのグループを差し置いて昨年度で最高額のツアー興行収入をあげた。この世界でもっとも影響力のあるK-POP芸能プロダクションのひとつであるビック・ヒット・エンターテインメントが、株式公開により年内に上場する。

世界中でK-POPの快進撃が続くなか、音楽ストリーミング時代に誰よりも先に世界的なスターへと成長したK-POPアイドルグループのひとつであるBTSを輩出したレコード会社および芸能プロダクションのビック・ヒット・エンターテインメントは、その勢力をさらに広げようとしている。同社は5月に初めてIPO(新規株式公開)申請を行っているが、8月7日に韓国取引所が「株式上場に必要な条件を満たしている」と仮承認を出したことが明らかになった。

このニュースを真っ先に報じた米ヴァラエティ誌によると、ビック・ヒット・エンターテインメントは、韓国金融委員会(FSC)への有価証券届出書の提出などの次のステップに進む。これらは、半年以内に行われる予定だ。しかしながら、ビック・ヒット・エンターテインメントは日程、システム、株式売買の規模などの詳細を一切明かしていない。だがロイター通信が報じたところによると、米金融大手JPモルガン・チェース、韓国最大手のNH証券、韓国証券投資社(Korea Investment & Securities)がすでに株式引受人として署名を済ませている。

ビック・ヒット・エンターテインメントが誇る大人気アイドルグループBTSは昨年、あらゆるジャンルのグループを差し置いて最高額のツアー興行収入をあげた。50本足らずの公演によって1億9600万ドル(約207億円)を超える金額を稼ぎ出したBTSは、ザ・ローリング・ストーンズの記録を抜いた。週を追うごとにBTS人気が高まる一方、ビック・ヒット・エンターテインメントは比較的小さな会社で、少なくとも世界規模で見ると、ユニバーサルミュージック・グループ、ソニー・ミュージックエンタテインメント、ワーナー・ミュージック・グループのような大手企業の傘下に入っていない。株式公開によって同社は、海外オフィスの設立やより多くの幹部社員の雇用を可能とする収益を生み出せるようになるだろう。

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最初の申請を行った頃、ビック・ヒット・エンターテインメントは2019年度の売上高が5億800万ドル(約538億円)、営業利益が8540万ドル(約90億円)だったことを公表した。これは、同社が韓国のPledisエンターテインメント最大の筆頭株主となった時期と重なる。さらには、韓国レーベルSource Musicと音楽ゲーム専門会社Superb Corpの買収によって2019年から取り組んできたマルチレーベル構造がさらに拡大する結果となった。

大手レコード会社のなかでもとりわけユニバーサルとソニーは、この状況に特に注目するべきかもしれない。両社はBLACKPINK(インタースコープ・レコード/ユニバーサル)、SuperM(キャロライン・レコード/キャピトル・レコード/ユニバーサル)、NCT 127(キャロライン・レコード/キャピトル・レコード/ユニバーサル)、TOMORROW X TOGETHER(リパブリック・レコード/ユニバーサル)、TWICE(リパブリック・レコード/ユニバーサル)、MONSTA X(エピック・レコード/ソニー)、ATEEZ(RCAレコード/ソニー)といった韓国アーティストと契約し、この2年にわたってK-POPムーブメントに積極的に参入してきたのだから。米国におけるBTSのディストリビューションを行なっているのはソニーの米国子会社であるコロムビア・レコードだが、BTSは同社とは契約しておらず、厳密に言えば、BTSは米レコード会社の所属アーティストには含まれていない。将来の拡大によってビック・ヒット・エンターテインメントはこうした中間業者を排除するだろうか? 今後の展開に注目したい。

From Rolling Stone US

Translated by Shoko Natori

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