最高のロックをフィーチャーした、映画史に残る名シーン30選

18位
ニュー・オーダー「ドリーム・ネヴァー・エンド」
『カルロス』(2010年)

『グッドフェローズ』がマフィアの世界を描いたように、『カルロス』は70年代に実在したテロリストの犯罪帝国の浮き沈みを記録した大作だ。エドガー・ラミレス演じるカルロス・ザ・ジャッカルは、革命家を自称してロックスターのように振る舞い、有名人としての自身のイメージに執着した。『カルロス』のサウンドトラックには、ワイヤーやザ・フィーリーズなどのポストパンクのバンドが多く収録されている。ロンドンの銀行に悪びれもせず爆弾を投げ込んだ後にバスタブでくつろぐカルロス。ニュー・オーダーのクールなデス・ディスコのグルーヴは、大都市の疎外感を見事に醸し出している。




17位
ザ・ヤードバーズ「ストロール・オン」
『欲望』(1966年)

ミケランジェロ・アントニオーニの描くスウィンギン・ロンドンは、このシーンから始まる。主役を演じるデヴィッド・ヘミングスが立ち寄ったモッズ・クラブでは、ジミー・ペイジとジェフ・ベックの両ギタリストが在籍するザ・ヤードバーズが演奏している。ジャズを目当てにクラブへ集まった客は、ステージをまるでロボットのように無表情に眺めている。バンドが演奏する「ストロール・オン」はレッド・ツェッペリンの原型とも言えるハードな曲で、「トレイン・ケプト・ア・ローリン」を露骨に思い起こさせる。ガムを噛みながら演奏していたジェフ・ベックが調子の悪い機材に怒ってギターを叩きつけたのをきっかけに、観客たちの間で暴動が起きる。現代の疎外感に対する批判なのだろうか? ただ、ジミー・ペイジのマトンチョップのもみあげは明確に何かを主張している。




16位
アイザック・ヘイズ「黒いジャガーのテーマ」
『黒いジャガー』(1972年)

ワウワウを効かせたギターが印象的なファンク。リチャード・ラウンドトゥリー演じるシャフトが地下鉄の出口から姿を現し、70年代の雑多なタイムズスクエアを闊歩する。彼を轢きそうになってクラクションを鳴らす車に悪態をつきながらも、テーマソングに合わせて歩き続ける。アイザック・ヘイズは、この男が何者か(黒人の私立探偵)、また日々どう過ごしているか(女好きのセックス・マシーン)、さらにどんな評判か(何でもお構いなしの無法者)を歌っている。誰もが実現したいと思う内容を歌った曲だ。


Translated by Smokva Tokyo

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