最高のロックをフィーチャーした、映画史に残る名シーン30選

ロックンロールをフィーチャーした映画史上最高の30シーンを紹介(Photo by Everett Collection)

『パルプ・フィクション』『あの頃ペニー・レインと』『ウェインズ・ワールド』など、“ロック×映画”の名シーンをランキング形式で紹介。

※本記事は米ローリングストーン誌にて2013年初出

映画の長い歴史の中では、数々のシーンに華麗なロックンロールが使われている。ギャング映画、恋愛物語、サムライものからヴァンパイア映画まで、たとえ平凡な映画であっても雰囲気にマッチした楽曲が作品を騒々しくワイルドに変えてしまう。これからロックンロールをフィーチャーした映画史上最高の30シーンを紹介しよう。『グッドフェローズ』から『オフロでGO!!!!! タイムマシンはジェット式』まで作品は幅広く、エルヴィスやRZAらアーティストも登場し、ロイド・ドブラー、スパイナル・タップ、デュードなどの役を演じている(ランキングにはサントラ盤の楽曲は含まない。従って『ジプシー』の「レット・ミー・エンターテイン・ユー」や『ブレージングサドル』の「アイム・タイアード」は対象外。またテレビシリーズも除外したため、『マッドメン』の「トゥモロー・ネバー・ノウズ」や『コミ・カレ!!』の「ロクサーヌ」も残念ながら入っていない)。

以下に紹介するのは、映画に登場するロックの印象的なシーンのごく一部だ。大音量で鑑賞することをお勧めする。


30位
エルヴィス・プレスリー「カモン・エヴリバディ」
『ラスベガス万才』(1964年)

エルヴィスがキングと言われる理由がここにある。それは彼が多くの映画に出演し、ほとんどの作品がヒットしたからではない。また、田舎の体育館へ彼がふらりと入ってきてバンドに曲をリクエストするようなセンチメンタルなシーンがふんだんに盛り込まれているからでもない。(ちなみにエルヴィスの「カモン・エヴリバディ」は、エディ・コクランによる同名のロカビリー・ヒット曲とは関係がない。もちろんどちらも素晴らしい曲だが。)さて、エルヴィスがキングたる所以は、彼がどのシーンでもキングにふさわしい常人離れした振る舞いを見せるからだ。また、彼がちょっと声を震わせるだけで、レオタード姿の魅力的なアン・マーグレットを熱狂的な興奮に誘い込めるからでもある。スウェーデン系の彼女と並んで腰を振る姿は、映画史上最高のヒップシェイク・バトルロイヤルだ。キングでもアン・マーグレットには敵わない、とエルヴィスが初めて認めざるを得ないバトルだった。




29位
ジーザス&メリー・チェイン「ジャスト・ライク・ハニー」
『ロスト・イン・トランスレーション』(2002年)

その女の子の話を聞こう。彼女は世界の半分を相手に戦っているのだから。曲はまるで、映画のラストシーンを演じるスカーレット・ヨハンソンの心の中で流れているかのように聴こえる。フルテンでフィードバックを効かせたギターサウンドに、強い欲望と苦悩に満ちた蜜が滴る蜂の巣のようだ。「ジャスト・ライク・ハニー」には、映画『ミーン・ストリート』や『ダーティ・ダンシング』にもフィーチャーされている楽曲「ビー・マイ・ベイビー」(フィル・スペクター作)のドラムパターンが使われている。監督のソフィア・コッポラは、作品のラストシーンを感動的に飾ろうとパンクのラヴソングを採用した。スカーレットの傷ついたロマンチシズムと、ジーザス&メリー・チェインの激しいギターが呼応しあっているようだ。実際にスカーレットは、コーチェラ2007で再結成したバンドのステージで、この曲にコーラスとして参加している。



28位
パブリック・エナミー「ファイト・ザ・パワー」
『ドゥ・ザ・ライト・シング』(1989年)

1989年、真夏のブルックリン。猛暑の街、人種暴動、銃を撃ちまくる警官、クラック、貧困、ピザ、ラジカセから大音量で流れるヒップホップ……スパイク・リーは映画のオープニング・クレジットに、ギャングの街の風景を選んだ。パブリック・エナミーの歌う「1989! A number! Another summer! Sound of the funky drummer!」の歌詞に合わせ、ロージー・ペレスが踊る。チャックD、フレイヴァー・フレイヴ、ボム・スクワッドは、自分たちの勝手知ったるやり方でショーに突入する。ロージーはスポーツブラにボクシンググローブという出で立ちで腰を振りながら、自分なりに必死で権力と戦っている。



27位
7イヤー・ビッチ「ザ・スクラッチ」
『マッド・ラブ』(1995年)

最も90年代らしいシーン。ドリュー・バリモア演じる精神を病んだシアトル出身のティーン(90年代の映画には必ずこの手の人物が登場した)が、パンク・ロックに救いを見出す。彼女はお気に入りのガールズバンドのコンサートへ出かけ、「I will have my cake! And I will eat it too! Just like you!」の歌詞に合わせて叫びながら頭を振り、目を閉じて狂喜の世界に入る。クリス・オドネルが現れたとしても、ロックンロールの至福の時を止めることはできない。落ち着け、ビーバス。ドリューには思う存分楽しむ時間が必要なのだ。


Translated by Smokva Tokyo

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