AK-69が問いかける表現者の本質、ヒップホップで培った信用

ー作品の中で「If I Die」という曲がありますが、「死」について歌った曲は初めてとのことですね。これまでそうした曲がなかったのは、何が理由だと思いますか。

意識したことはもちろんあったんですけど、その時の自分が書くほど積み上げたわけでもねえしなって。あと、こういうテーマを扱ってきた世界のレジェンド達って、結構死んでるじゃないですか? そういう怖さもちょっとあって、書きたいと思いつつ先送りしていたテーマだったんです。でも、自分も人生残り半分を折り返した歳にもなってきて、コロナでニューヨークの友達のラッパーが亡くなってしまったり、何があるかわからねえなって改めて考えさせられた時期でもあったから。



ー「死」を見つめざるをえなかったと。

そうですね。俺もいつ死ぬかわからないけど、死んだ時には財産よりも、「俺という人間はこういうふうに生きていたんだ」ってメッセージやアティテュードを知ってもらいたい、それが一番残したいことだなってところもあってこの曲を書きました。

ーこれからやるべき事のビジョンがある中、コロナ禍がどこまで続くかわからないという状況です。最後に可能な範囲で今後の活動についても伺えますか。

そうだな... それは誰にもわからないですよね(笑)。ただ、今回のライブ(超配信ライブ「LIVE:live from Nagoya」)もそうなんですけど、普通は命懸けでやっていくライブってなかなかないと思うんですよ。でも、俺達は武道館のライブの時も本来なら絶対にGOしないような予算でやっちゃったりしていて、これはポーズで言ってるんじゃなくて、マジで赤字なんですよ。チケット売り切って物販売って、スポンサーにお金出してもらっても赤字になるくらいの赤字なんです。

Rolling Stone Japan 編集部

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