AK-69が問いかける表現者の本質、ヒップホップで培った信用

ー(笑)。あくまでメジャーな場所でやることの意義を強く感じているってことですよね。

ラッパーって大体そうなんですよね。ラップで注目されて女にモテて、金持ちになりたいっていうその絵面に憧れたんで。ヤベーなこの音楽っていう。悪い奴らが荒んだ環境の中で培ったメッセージを歌って、人に賞賛されて、綺麗なお姉ちゃんをはべらかして、豪華なジュエリー着けて、高級車に乗ってイエーイ! って言っているのがヤベーっていう。俺もそういう風になりてえって思ったところから始まっているから。

ーすごく自然なことだと。

だから俺は後輩達が「ウケる」って言うくらい私生活でもラッパーなんですよ。別に無理しているわけではなくて、それが染みついてる。自分の車も高級車しかない。時計やジュエリーもみんなが買えないようなものを買って、買い物しに行ったらスタイリストやメイクがきて、カメラ撮りながら2、300万の会計するとか別に普通なんです。でも、それってお金があるってことじゃなくて、そのお金を稼げるくらいの規模感になることを、ガキの頃からずーっとイメージしてきたってことなんです。

ーなるほど。

だからそれを目指すことは悪じゃないというか、みんなそれになりたいんでしょ? っていう。「お金じゃない」っていうんなら、今すぐ音楽売るのやめろって思うんですよね。これは昔、曲でも歌っているんですけど、本当にそう思うなら全部タダでやれよ、売っている時点で綺麗事言ってんじゃねえって思うことはありますね。ただ、お金を求めてやっているわけじゃないってことも言いたいですね。人を感動させたり、人に何かを与えた暁に、人から何か返していただけるっていうこと。俺はその基本を崩していないんで、エンターテイナーとしての役割を果たせたら結果がついてくるっていうだけなんじゃないかなって思います。

Rolling Stone Japan 編集部

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