性的虐待のエプスタイン元被告、国際的な売春組織の内幕が明らかに

2005年3月15日、ニューヨークシティで行われたde Grisogono主催2005年ウォールストリート・コンサートシリーズに出席していた故ジェフリー・エプスタイン元被告(左)とギレーヌ・マックスウェル被告(右)(Photo by Joe Schildhorn/Patrick McMullan/Getty Images)

未成年の少女らを性的虐待したとして起訴され、勾留中に自殺した米富豪のジェフリー・エプスタイン元被告。7月2日には、元被告に若い女性を調達していたとみられる英国人のギレーヌ・マックスウェルが逮捕された。そして7月30日、マックスウェル被告に関する600ページ強の貴重な資料が公開された。

2000ページにわたる起訴内容の大半はすでに広く報じられたが、今回公開された証言録取、メールのやり取り、警察の報告書などにより、マックスウェル被告とエプスタイン元被告が仕切っていたと言われる売春組織のより詳しい、恐るべき全容が浮かび上がった。

裁判資料は数年にわたる訴訟にまつわるもので、マックスウェル被告の弁護団は公正な裁判の妨げになるとして公開を阻止しようとしていたが、30日、ロレッタ・プレスカ判事は弁護側の請求を却下した。

資料は2015年、エプスタイン元被告の被害者の1人ヴァージニア・ジュフリーさんとマックスウェル被告の間で行われた民事訴訟にさかのぼる(この裁判はすでに和解が成立している)。ジュフリーさんの主張によれば、マックスウェル被告とエプスタイン元被告は当時15歳だったジュフリーさんに売春させ、イギリス王室のアンドルー王子、アラン・ダーショウィッツ弁護士、元ニューメキシコ州知事のビル・リチャードソン氏など、世界各地の著名な男性たちの相手をさせたという。

アンドルー王子とダーショウィッツ弁護士はすべての容疑を否認している。リチャードソン元州知事の広報担当者は、ローリングストーン誌に宛てた声明でこう述べた。「これらの容疑や推論は全くのでたらめです……リチャードソン元州知事は、ヴァージン諸島にあるエプスタイン氏の邸宅には一度も行ったことがありません。ジュフリーさんに会ったこともありません」

「私の生活は全て、こうした男たちを喜ばせ、ギレーヌとジェフリーの機嫌を取り続けることを中心に回っていました」とは、公開された裁判資料のジュフリーさんの発言だ。「2人の人生はセックスが中心でした」

マックスウェル被告は7月、性行為への関与目的で未成年者を移送した罪など6件の刑事犯罪容疑で逮捕・起訴された。起訴状によると、彼女は14歳もの若さの少女を手懐けて、エプスタイン元被告と3人で性行為を行わせたとみられる。罪状認否で彼女は無罪を主張し、すべての起訴内容を否認した。マックスウェル被告の代理人にコメントを求めたものの、記返答は得られなかった(彼女は以前にも全ての容疑を否認した)。

裁判資料から判明した内容は次の通り。

Translated by Akiko Kato

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