80年代にポップ化した、プログレ出身アーティストの名曲10選

フィル・コリンズ

プログレからポップ路線へ。フィル・コリンズ、ピーター・ガブリエル、ラッシュなど、音楽性を一新してMTV全盛期の80年代にヒットした事例を振り返る。

80年代の幕開けと共に、70年代に活躍したジェネシス、イエス、ラッシュなどのプログレ・バンドは恐竜の如く消えゆくと思われていた。それというのも、時代はMTVとニューウェイヴ真っ盛り。しかし、プログレ・バンドは絶滅した恐竜にはならなかった。彼らがトレードマークだった長髪を切り落とし、楽曲の尺を20分から普通の長さにカットした途端、どうしたわけかプログレをやっていた頃よりも人気が出てしまったのである。また、短命のスーパーグループにも喜んで参加し、トップ40にチャートインし、マドンナやマイケル・ジャクソンなど飛ぶ鳥を落とす勢いの若手アーティストたちと肩を並べてしのぎを削ったのだ。そんな驚きのヒット曲の中でも、ベストと思われる10曲を厳選してお届けしよう。

【写真&プレイリスト】80年代にポップ化した、プログレ出身アーティストの名曲10選



ジェネシス「トゥナイト・トゥナイト・トゥナイト」

ジェネシスが1986年にリリースしたアルバム『インヴィジブル・タッチ』は全世界で大ヒットし、同アルバムから5曲のヒット・シングルに恵まれた彼らは、スタジアム級の人気バンドへと変貌を遂げた。しかし、アルバムに収録された9分間のこの曲では、絶望的な依存について歌っている(ラジオ放送用に4分半の短縮版が作られた)。ビール・メーカーのミケロブがこの年のCM曲としてこれを採用したのだが、彼らはこの曲の本当のメッセージを理解していなかったようだ。


Translated by Miki Nakayama

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