生涯の一枚、松任谷由実と山下達郎のライブ盤を振り返る

達郎さんのソロデビューは1976年で、シュガー・ベイブもそうでしたが不遇な時代ですね。前回、岡林信康さんと矢沢永吉さんの日比谷野外音楽堂のライブの特集のとときは時にもお話しましたが、野音のロックコンサートのトップバッターに、シュガー・ベイブが必ず出てくるんですよね。なぜトップバッターかというと、ウケないからさっさとやって帰るんです。帰れという声がステージに飛んできたこともありましたからね。なかなかツアーも組めなかった1970年代の後半に大阪のディスコから火がついたんです。それがこの曲です、アルバム『JOY』から1978年の曲「LET’S DANCE BABY」。

LET’S DANCE BABY / 山下達郎

山下達郎さんの1989年のライブアルバム『JOY』から「LET’S DANCE BABY」。4枚目のアルバム『GO AHEAD!』の曲ですね。クラッカーソング、ライブでは欠かせない曲です。これが大阪のディスコで火が付いたんですね。まだツアーも組めない苦しい時期に、大阪のディスコが光を見せてくれた。大阪の音楽ファンはすごいですね。

今日は、それぞれにまつわるアルバムを持ってきてるんですが、その説明をいたしますね。達郎さん関係の一枚がシュガー・ベイブの『SONGS』。もう一枚が『ADD SOME MUSIC TO YOUR DAY』という1972年の自主制作盤。これは四ツ谷にあったロック喫茶「ディスク・チャート」というところで買ったんです。僕は当時、放送作家で文化放送の「三ツ矢フォーク・メイツ」という番組をやってました。大滝詠一さんのサイダーのCMが必ず流れるという番組の構成です。昼間は文化放送の近くのロック喫茶で原稿を書いていたんです。ある時、ビーチ・ボーイズのカバーが流れてきた。これは誰だろうと思ってレジに訊きに行ったんです。その店員さんは後のパイドパイパーハウスの長門芳郎さんだったんですが、彼に「これ学生の自主制作版で売ってますよ」と言われて買いました。1500円でした。100枚限定で77番だったんですよね。その写真をアップしておりますので、是非ご覧ください。

Rolling Stone Japan 編集部

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