関係者が今こそ明かす、ワン・ダイレクションが21世紀最大のボーイズバンドになった理由

2012年9月20日、ロンドンのRoundhouseのステージにて(Photo by Jo Hale/Redferns/Getty Images)


1Dが際立っていた理由は「ギターロック」

7月23日はワン・ダイレクション結成10周年にあたる記念日だ。この日サイモン・コーウェルはオーディション番組『Xファクター』で、ハリー・スタイルズ、ナイル・ホーラン、ゼイン・マリク、リアム・ペイン、ルイ・トムリンソンがグループとして次のステージに進出することを告げた。この日から2015年12月31日の最後の(今のところは、と言いたいところだ)ライブパフォーマンスまで、彼らはアルバムを5枚リリースし、ワールドツアーを4回敢行――そのうち2回はスタジアムツアーだ――そしてソーシャルメディアがファンコミュニティの在り方を再定義していた時代、水を得た魚のように勢いづいた世界中の熱狂的なファンにいくつものヒット曲を残した。



イン・シンクやバックストリート・ボーイズ全盛期からすでに10年が経過し、時代は新たなボーイズバンドを求めていた。ワン・ダイレクションの楽曲は素晴らしかったし、メンバーのカリスマ性と息の合ったチームワークは疑いようもない。だが、彼らが際立っていた理由は他のどのポップスにもなかったサウンド――その当時、過去のものとなりつつあったギターロックをベースにしたサウンドだった。

『Xファクター』で1Dと出会い、最初の数年間は先導役を務めたコテチャは、ボーイズバンドの歴史に精通している。彼が最初にボーイズバンドのパワーを目の当たりしたのは80年代、ニュー・キッズ・オン・ザ・ブロックが姉の青春時代を支えていた時期だった。ニュー・キッズからBSBまで、全ての偉大なボーイズバンドの共通点について彼はこう言う。「彼らは今までラジオで流れていなかったような音楽で、どこからともなくブレイクするんですよ」

2010年は「誰もがリアーナのダンスポップのようなことをしていた」とコテチャは振り返る。だがそれはワン・ダイレクションが得意とするサウンドではなかった(ザ・ウォンテッドが1度だけトライした)。周知のとおり、彼らはダンスすらしなかった。その代わり、1Dは近代ボーイズバンドの原点に立ち戻ることを目指した。

「よくサイモンとは、(ワン・ダイレクションが)いかにビートルズっぽいか、モンキーズっぽいかと話していました」とコテチャは続けた。「彼らはすごく個性的だったし、一緒にいると、僕まで若いころに戻ったような気分になったものです。そういうのにぴったりハマる音楽は、楽しくてポップなギターソングしかないという気がしました。ふとした思い付きが、いつしかファンに受け入れられたという感じです」

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1Dの最初の2枚のアルバム『アップ・オール・ナイト』と『テイク・ミー・ホーム』でこうしたサウンドを構築するにあたり、コテチャは主にをスウェーデンの作曲家/プロデューサーのカール・フォークとラミ・ヤコブと共同で作業を進めた。3人ともマックス・マーティン/シェイロンスタジオのポップス専門学校の出身で、フォークいわく、自分たちならボーイズバンドを再び世に開陳できるという自信があった。かつてのBSBやイン・シンクを彷彿とさせる楽曲で、ただし時代遅れのシンセやピアノの代わりにギターを使って。



ポップミュージックの素晴らしい点は、「自分にもできそうだ」と思わせてくれることだ。ワン・ダイレクションの音楽もそうした意図で作られた。「友人の15歳の娘も演奏できて、カバー曲をYouTubeにアップできるぐらいシンプルなギターリフでなくてはならなかった」とカール・フォークは言う。「聴いてもらえれば分かるけど、「ホワット・メイクス・ユー・ビューティフル」や「ワン・シング」のギターリフは2本指で弾けるようなもの。ギターをかじったことがある人なら誰でも弾ける。全て意図的にそうしたのさ」

Translated by Akiko Kato

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