米ママたちに広まりつつある危険な「脱マスク」思想:「子供たちのマスクを外そう」

ママインフルエンサーたちがInstagramでアンチ・マスクを拡散している(Photo by GettyImages)


7歳児の母であり、3万2000人以上のフォロワーを持つポッドキャスターのハイジ・セント・ジョンさんは、水蒸気と思しき物体を吐き出している女性の動画をリポスト。動画には、「これでもマスクに効果があると思う?」というキャプションが入っていた。「妻、母、出産アドバイザー」を自称するEcho Unafraidさん(フォロワー数4万3000人)は、地面に捨てられたくしゃくしゃのマスクの写真を投稿し、マスク着用を拒否する人々への「差別」を非難した。「私は、あなたの味方です。マスクのありなしに関わらず、あなたと家族の身体、顔、健康、信念にとって何が大切かを決めるのはあなたです。私は、あなた自身の決断を信じています!」というキャプションを付けた(本誌の質問に対し、Echo Unafraidさんは「私はどこかの政党の関係者でもなければ、民主党か共和党かという情報にもとづいて政党を選ぶような人物でもありません。私はワクチン・マスク・科学などの反対者でもありません」と語った)。

ネット上で拡散しているインフルエンサーの投稿の多くは、ありとあらゆる誤りの陰謀論を反映している。家具に子どもを閉じ込めて人身売買をしているという「Wayfairゲート」やマスク不着用を掲げるアンチ・マスク プロパガンダはその代表例である。ネット上で一気に拡散したある投稿には、「あなたは、私がマスクを着用しないからといって不安な気持ちになっているけれど、私は子どもの人身売買という犯罪行為を誇らしげに見せびらかすエリート階級の小児性愛者たちにムカついてる——#WeAreNotTheSame #Wayfair #PedoGate」と書かれていた。また別の投稿は、「外見がわからないのに、どうやって加害者あるいは誘拐された子どもの身元を特定すればいいのですか?」と子どもにマスクを着けさせることで人身売買業者に誘拐される危険があるとまで主張している。

こうした発信のほとんどには、反ワクチンという強いメッセージも込められている。「これらは、反ワクチン運動のある種の延長のようなものになってしまいました」とホーテズ博士は述べた。「すべてが健康あるいは医療の自由といった偽りの大義に隠されているのです」。マスク着用がますます政治問題化するなか、概して非主流だった動きが「以前よりも主流でノーマル化されたものとなってしまい、私たちが直面しているもっとも大きな課題のひとつにまで肥大しようとしています。マスクは抵抗あるいは政治的アイデンティティのサインとみなされるようになり、これは非常に危険な兆候です」と博士は語った。

Translated by Shoko Natori

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