米ポルノ業界、撮影解禁のリスクと現場の悲痛な声

懸念していた陽性反応者、撮影の続行

自粛解除から数週間後の7月14日にFSCが発表した声明で、こうした懸念が正しかったことが証明された。PASS制度外のクリニックで検査を受けた俳優と撮影クルーの中に「少なくとも12人」のCOVID-19陽性反応者が出たが、検査結果が報告されなかったという情報が入ったためだ。「今のところは正式な活動自粛を呼びかけるには至っていませんが、状況を調査しているところです。詳細が分かり次第、コミュニティに勧告を行うつもりです」とFSCは声明を発表したが、「我々としては、撮影が安全だとは考えていません」という姿勢もあらためて主張した。

FSCの声明発表後のコメント取材で、パトリックはCOVID-19の陽性反応者が出たというニュースに「非常に落ち着かない」としながらも、同社は現行の衛生安全対策を実施して撮影を継続するつもりだと語った。「僕も状況に目を光らせて、様子を見ているところです」 ロビンソン氏いわく、Falconも撮影を継続する予定だそうだ。「今のところ計画変更はありません。ですが、非常に流動的な状況であることは理解しています。通達が出れば、いつでも制作を中断するつもりです」

アダルト業界2度目の活動自粛はまだ発表されていないものの、俳優やクルーが甚大な危険をおかしてまで撮影するかどうかはまた別の話だ。ポルノ産業の大半が活動の拠点としているロサンゼルスや、もう一つの制作拠点フロリダを中心にCOVID-19の感染者がうなぎのぼりに増えるなか、ロックダウンで出費ばかりかさんでいた制作会社を除き、人々が撮影に二の足を踏む理由は山のようにある。

3~4カ月間まったく仕事がなかった後、プロデューサーが俳優やクルーに圧力をかけ、稼ぐためには危険に身をさらさねばならない状況になる可能性もある。業界トップクラスのカルバート氏でさえ、こうしたプレッシャーをひしひしと感じている。「仕事をしなければ、他の人に取られるんじゃないかと感じています」と彼女は言った。

【画像】隔離中の変態たちに残された唯一の選択肢、バーチャル乱行パーティとは?(写真)

Translated by Akiko Kato

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