史上最高の「ムービー・バンド」25選


9位『スクール・オブ・ロック』(2003)
スクール・オブ・ロック

映画のなかとはいえ、マイクを渡され、舞台を任されたロックデュオ、テネイシャスDのジャック・ブラックがここまで生き生きとした姿を見せることはないかもしれない。リチャード・レインクレイター監督の『スクール・オブ・ロック』のブラックは、まさに水を得た魚のようだ。ブラックが演じる主人公は代用教師として小学校に潜り込み、そこで音楽史を教えるうちに生徒たちとスクール・オブ・ロックというバンドを結成する。水を得たブラックは同作にもっと大人向けのユーモアを盛り込むこともできたかもしれないが、実際にはPG-13指定が同作にいい味を与えている(そのおかげでファミリー層のあいだでもヒットした)。先生のお気に入りになりたいなら、ベイビー、そんなことは忘れちまえ。

8位『マペットの夢みるハリウッド』(1979)
ドクター・ティース&エレクトリック・メイヘム

たしかに、人形劇コメディ『マペット・ショー』といえば「Bein’ Green」や「Rainbow Connection」といったセンチメンタルな楽曲を連想する人が多いかもしれない。だからといって、もっとハードな楽曲がないと決めつけるのは禁物だ。『マペットの夢みるハリウッド』の主役はカエルのカーミットだが、ジム・ヘンソンの遊び心あふれる人形王国の真の音楽家はドクター・ティース、アニマル、フロイド・ペッパー、ジャニス、ズートのバンド、エレクトリック・メイヘムだ。バンドは1970年代らしいブギーファンクを見事に取り入れているだけでなく、リンクで取り上げた動画のように決まって絶妙なタイミングで登場するのだ。当時のエレクトリック・メイヘムは、レオン・ラッセルやエイプリル・ワインとツアーすることだってできたはず。そう考えると、なんて愉快なんだ!

7位『ザ・コミットメンツ』(1991)
ザ・コミットメンツ

アイルランド音楽といえば、真っ先に浮かぶイメージはU2のボノや打楽器のバウロンかもしれない。だが、ダブリンの気まぐれな若者グループの一流ソウルバンドへの成長を描いたロディ・ドイルの1987年の小説の映画化を決意したアラン・パーカー監督は、アイルランドという国にソウルミュージックを注入した。機材の問題、気まずいロマンス、メンバー間の競争など、若者たちの前にさまざまな壁が立ちはだかるが、最終的には音楽こそがすべてなのだ。パーカー監督は、本物らしさにこだわってすべてのボーカル部分をセットでレコーディングし、当時若干16歳だったシンガーのアンドリュー・ストロングをバンドのリードボーカルに起用した。ギターを弾いているのは、アイルランドの人気バンド、ザ・フレイムスのフロントマンで、のちに『ONCE ダブリンの街角で』に主演するグレン・ハンサードだ。

6位『スター・ウォーズ』(1977)
フィグリン・ダンとモーダル・ノーズ

酒場のバンド(カンティーナ・バンド)ことフィグリン・ダンとモーダル・ノーズは、『スター・ウォーズ』の世界全体から見れば取るに足らない存在かもしれない。それでもどういうわけか、つるつる頭のビズ種族のインストゥルメンタル・バンドは、その存在感を示し続けてきた(たとえリピートされ続ける音楽がモス・アイズリー・カンティーナの騒音にかき消されてしまったとしても)。その理由は、19世紀末から20世紀初頭にかけて流行したラグタイムを連想させる時代錯誤で不思議なビートとバンドの目の前で繰り広げられる不穏な取引との明確なコントラストにあるのかもしれない。あるいは、作曲家ジョン・ウィリアムズの好意による一流の銀河系ラウンジモードのおかげかもしれない。いずれにせよ、ケッセル・ランを12パーセクで飛んだ伝説の船についてハン・ソロが延々と語るあいだもどこか懐かしいメロディを奏でている。

5位『みんなのうた』(2003)
ザ・フォークスメン

2003年、映画ファンはスーツ姿でビシッと決めたザ・フォークスメンにようやくスクリーンでお目にかかることができた。しかし、バンドの起源は20年近く前にさかのぼる。クセ者揃いのスパイナル・タップともいうべき架空のフォークトリオ、ザ・フォークスメンのメンバーを演じているのはクリストファー・ゲスト、マイケル・マッキーン、ハリー・シェアラーだ。1984年に米人気バラエティ番組『サタデー・ナイト・ライブ』でデビューした彼らは、その後数十年にわたって本物のフォークバンドとしていくつものパフォーマンスをこなした。それだけでなく、ときにはヘビーメタルに寄せてスパイナル・タップのオープニングアクトを務めたこともあった(訳注:ゲスト、マッキーン、シェアラーは架空のヘビメタバンドのフェイク・ドキュメンタリー『スパイナル・タップ』の主演俳優でもある)。クリストファー・ゲスト監督の『みんなのうた』に登場するいくつものパフォーマンス(ザ・ニュー・メインストリート・シンガーズとミッチ&マイキーなど)のなかからザ・フォークスメンだけを取り上げるのは不公平かもしれないが、この3人組が最年長なので年功序列ということにしておこう。

Translated by Shoko Natori

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