史上最高の「ムービー・バンド」25選


14位『CB4』(1993)
CB4

MCガスト、スタッブマスター・アーソン、デッド・マイクの3人組ラッパーに拍手。主演のクリス・ロックと脚本家のネルソン・ジョージによるコメディ・ドキュメンタリー『CB4』では、主にギャングスタ・ラップ、犯罪とカネにまつわるライム、クリントン政権時代のヒップホップブームが描かれている。同作では、MCハマーからX・クランまで、誰もが嘲笑の的になる一方、映画のタイトルと同名のCB4は、ノーティー・バイ・ネーチャーやウルトラマグネティック・MC’s、さらにはN.W.Aといったこの世代を代表するスターラッパーをバランスよくミックスしたラップ・グループであり、ステージの盛り上げ方も十分心得ている。「Sweat From My BALLS!!!」のような名曲でオーディエンスを沸かせられるのはCB4くらいだ。

13位『オー・ブラザー!』(2000)
ソギー・ボトム・ボーイズ

『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』(2013)を手がけたジョエルとイーサンのコーエン兄弟は、この10年前に『オー・ブラザー!』という歴史映画を世に送り出していた。同作のハイライトは、1930年代の大恐慌時代のアメリカを舞台に図らずもブルーグラスのスターになる脱獄囚3人組による懐メロだ。ジョージ・クルーニー、ジョン・タトゥーロ、ティム・ブレイク・ネルソンは完璧な歌い手とはいかないまでも、ブルーグラスという芸術への姿勢は評価に値する。それだけでなく、アメリカーナの定番「Man of Constant Sorrow」のカバーバージョンを収録したサントラのおかげで、このジャンルはふたたび日の目を見ることができた。

12位『ハイ・フィデリティ』(2000)
ソニック・デス・モンキー

スティーブン・フリアーズ監督によるイギリスの作家ニック・ホーンビィの小説『ハイ・フィデリティ』(1995)の映画化には、評価すべき点がいくつもある(映画の舞台はロンドンではなくシカゴになっている)。そのなかでも、ジャック・ブラック率いるソニック・デス・モンキー(のちにKathleen Turner Overdriveとしてブレイクし、現在はBarry Jive and the Uptown Fiveに改名)によるマーヴィン・ゲイの「Let’s Get It On」のカバーは最高だ。ジャック・ブラックがロックデュオ、テネイシャスDとしても活動していたことは当時あまり知られていなかったため、おかしなルックスの男が突然ソウルの名曲を見事に歌い上げたときのオーディエンスの反応ときたら。誰もが聴き惚れるシーンに注目。

11位『ピッチ・パーフェクト』(2012)
バーデン・ベラーズ

米FOXの大ヒットミュージカルドラマ『glee/グリー』がようやくアカペラという芸術形式に光を当ててから3年。アナ・ケンドリックとレベル・ウィルソンは、一過性のブームで終わろうとしていたアカペラを世界的なミュージカル・コメディとしてヒットさせるのに一役買った。『ピッチ・パーフェクト』は、いまもミュージカル・コメディ部門の歴代興行収入3位という記録を保持している。(2015年公開の同作の続編が現在は1位)。ボーカルブレイクダウンとくれば、劇中アカペラグループのバーデン・ベラーズは無敵だ。どのグループがトップかを判断する方法はリフオフ(歌のしりとり)しかないが、それを見極めるのはなかなか難しい。だから、バーデン・ベラーズのライバルでもある男子アカペラグループ、トレブルメーカーズにも同様に拍手を送りたい。

10位『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』(2013)
ジム&ジーン

最初に言っておこう。ジム&ジーンは1960年代に実在したフォークデュオで、ふたりは私生活でもカップルであり、いっときは結婚もしていた。たしかに、これだけ聞くとジャスティン・ティンバーレイクとキャリー・マリガン演じるフォークデュオの着想源にふさわしいかもしれないが(『みんなのうた』のキャサリン・オハラとユージン・レヴィ扮するミッチ&ミッキーにも同じことがいえる)、監督のコーエン兄弟版ジム&ジーンは実在のモデルとはかなり違う。でも、ふたりのパフォーマンスを聴くと、実在のモデルに寄せても十分上手くいった可能性はあったのではないだろうか。というのも、マリガンの歌声には当時の女性歌手特有の美しいトリルがある。それにティンバーレイクって人も意外と悪くない。

Translated by Shoko Natori

RECOMMENDEDおすすめの記事