『レッド・ツェッペリンIV』ロック史に燦然と輝く大名盤の誕生秘話

神の領域に辿り着いた4人

レッド・ツェッペリンはデビュー当初、その本質が暴力性にあると見なされていた。プラントの言葉を拝借すれば「非常に動物的で、地獄のようにパワフル」。そこから幸いなことに、次の10年間で、4人のメンバーはそれぞれ独自の才能を開花させていった。プラントは捨て身のハイトーンに加えて、探求心に満ちた歌詞を紡ぐようになった。ペイジはロック史上もっとも冒険的で創造力豊かなプロデューサーの一人として台頭し、流れ作業のように至高のギターリフを量産した。ジョーンズはありとあらゆる楽器をこなすようになり、このバンドの武器やアレンジを豊かに拡張した。そしてボーナムは、過剰な飲酒と贅沢な生活で1980年に亡くなるまで、不規則な拍子を流れるようにナビゲートしながら、ジャックハンマー(削岩機)のごとき怪力で一貫して叩き続けた。



そういった技術と知恵、勇気のすべてが、ツェッペリンの4枚目のアルバムから見て取れるだろう。音楽雑誌に対する因縁を抱え続けるペイジは、バンドにとってもっとも有名なこのレコードですら、リリース当時は評論家に叩かれたのだと主張する。アルバムはただちにラジオ局のプレイリストを席巻し、多くの都市でその状態は保たれたままだ。このアルバムはとっくの昔に、神の領域に達している。

ツェッペリン好きのキャメロン・クロウが脚本を書いた1982年の映画『初体験/リッジモント・ハイ』では、ダフ屋のマイク・ダモンが若くナイーブな友人に、女の子とセックスするための秘訣を伝授している。「デートするときはできるだけ『レッド・ツェッペリンIV』のA面をかけるんだ」

【関連記事】
●レッド・ツェッペリン究極の名曲トップ40

●レッド・ツェッペリンが誕生するまでの物語

●『レッド・ツェッペリンII』誕生秘話

●『レッド・ツェッペリンIII』制作秘話:"アコースティック転向"騒動の内幕

●『レッド・ツェッペリンIV』ロック史に燦然と輝く大名盤の誕生秘話

●レッド・ツェッペリン『聖なる館』:知られざる10の事実

●レッド・ツェッペリン、狂気じみた10の噂を事実検証

●レッド・ツェッペリン再結成を拒み続ける、ロバート・プラント語録

●ジミー・ペイジ、レッド・ツェッペリン時代の超絶ギタープレイ15選

●ジョン・ボーナムのドラムが冴え渡る、レッド・ツェッペリン楽曲14選

Translated by Rolling Stone Japan

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE