『レッド・ツェッペリンIV』ロック史に燦然と輝く大名盤の誕生秘話

レッド・ツェッペリン(Photo by Michael Putland/Photoshot)

メディアからの攻撃に苛立ち、比類なき芸術的野心に触発されたツェッペリンは、ロック史上屈指のアルバムを作り上げた。「天国の階段」など数々の名曲を収めた1971年の代表作『レッド・ツェッペリンIV』を振り返る。


レッド・ツェッペリンによる4枚目のアルバムは、『レッド・ツェッペリンIV』『無題(Untitled)』『フォー・シンボルズ(Four Symbols)』『Zoso』などさまざまな名称で知られているが、本当のタイトルはバンドメンバーがそれぞれに選んだ、発音不能なシンボル4文字から形成されている。これについてジミー・ペイジは、ローリングストーン誌の数人を含む、自分たちに冷ややかなライターへの復讐のためにやったと語っている。「しっかりした実績を上げているのに、メディアはまだ僕らのことをハイプと呼んでいた。それが4枚目のアルバムを無題にした理由なんだ」。彼はまた18カ月間、あらゆるインタビューを拒否した。

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このように、史上もっとも売れたロック・アルバムの1つ(最新データによるとアメリカのみで2300万枚)には、バンドメンバーの憤りが込められていた――彼らは勝利しながら負け犬の気分を味わっていたのだ。アルバムの見開きデザインに、写真やバンドの情報は掲載されていない。ある業界筋は「こんなことをするのはプロとして自殺行為だ」とペイジに警告したが、これが結果的にアルバムの、そしてグループの、高校の廊下みたいにいつまでも続くミステリアスな空気を生み出すことになった。

Translated by Rolling Stone Japan

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