女性の性犯罪者が未成年男子をレイプするのは「禁断の恋」なのか?

1996年、セルフタイマーで撮影したメアリー・ケイ・ルトーノーさんとヴィル・フアラアウさんの写真(Photo by Mary Kay Fualaau via Mark Greenberg/Redux)

教師時代に当時13歳だった教え子の少年と性的関係を持ち、第2級児童強姦罪などで刑務所に7年間服役し、出所後に同じ相手と結婚したメアリー・ケイ・ルトーノーさんが6日に亡くなった。享年58歳。死因はがんだった。

元教え子の名前はヴィリ・フアラアウさん。彼と関係を持った当時、ルトーノーさんは34歳。1990年代末、タブロイド紙をにぎわせた2人だ(ピープル誌の表紙を飾ったこともある)。当時のメディアはルトーノーさんを性犯罪者ではなく、社会からは決して理解されない悲恋の渦中に置かれたヒロインとして報じた。

【画像】1998年、教え子との間に生まれた第一子を抱えてタブロイド誌の表紙を飾った故ルトーノーさん(写真3点)

おそらく、近年話題になったどの有名人よりも、メアリー・ケイ・ルトーノー事件の報道は、児童レイプと関連した性のダブルスタンダードを定着させる原因となった。つまり、男性教師と未成年女子生徒とのセックスは非難されてしかるべきである一方、女性教師と未成年男子生徒とのセックスは容認されるどころか、称賛に値するという考えだ。

ルトーノーさんとフアラアウさんがタブロイド紙の常連となった90年代以降、女性の性犯罪者の報道が罪の大きさを軽視し、「魅力的な大人の女性たちが少年に性的関心を抱く理由」にばかり注目する例が後を絶たない(こうした関心の対象となった少年たちは「幸運」だとみなされた)。

13歳の少年と十数回にわたって性行為とオーラルセックスを重ね、その後起訴された27歳の体育教師パメラ・ロジャース・ターナーを、ニューヨーク・ポスト紙は「はっとするような」「ブロンドのセクシーダイナマイト」と表現し、ご丁寧にビキニ姿でハーレー・ダビッドソンの広告モデルをしていた過去も紹介した(彼女は4件の性的暴行で不抗争の答弁を行ったが、暴行被害者の少年に猥褻なメールを送ったとして再逮捕され、懲役7年の刑となった)。

フロリダ州タンパの教師で、バックストリート・ボーイズのメンバーの元恋人デブラ・ラフェイヴは、14歳の生徒とオーラルセックスをしたとして猥褻淫行暴行罪で起訴された。メディアではプラチナブロンドの美女としてさんざん持ち上げられ、彼女の弁護士もこれを口実にして懲役刑を免れようとしたほどだ。「魅力的な若い女性をあのようなごみ溜めに放り込むことは、ライオンの群れの中に生肉を投げ入れるようなものです」と、彼は2004年に述べた(どういうわけかこの主張が功を奏し、ラフェイヴは3年間の自宅軟禁と7年間の保護観察処分で済んだ)。

Translated by Akiko Kato

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