女性の性犯罪者が未成年男子をレイプするのは「禁断の恋」なのか?

教師・生徒間の性犯罪で女性が加害者の場合、男性が加害者の場合よりも刑がはるかに軽い

女性教師と未成年の男子生徒の性犯罪を扱う報道では、こうした図式があまりにも当たり前になっていたため、作家・アリッサ・ナッティングはこれを題材に風刺小説『Tampa』を書いた。ソシオパスの中学教師が少年たちを次々餌食にしていく、という話だ。作者のナッティング氏はガーディアン紙のインタビューで、ラフェイヴ事件がきっかけで女性の性犯罪者の見方を改めるようになったと語った。「多くの人が、疑問の余地なく思い込んでいます。『男のほうが望んだんだから、犯罪とはいえないだろう?』。私はそれは間違った解釈だと思います」。あえて歯に衣着せぬあからさまな表現を使うことで、彼女は性的虐待を細部まで再現し、読者に罪の重さを突きつけた。

とはいえ、性的図式が逆だった場合と比べると、この手の暴行はいくぶん軽く、被害者への傷も少ないという暗黙の考えはいまだ残っている。2013年の調査によると、教師・生徒間の性犯罪で女性が加害者の場合、男性が加害者の場合よりも刑がはるかに軽い。判事もあれこれこじつけて、減刑を正当化し続けている。ベビーシッターが11歳の少年を性的に暴行したイギリスの事件では、判事は加害者にこう言った。「明らかに彼は成熟な11歳で、あなたは未熟な20歳でした。数字で見るよりも、2人の年の差は小さいのです」。性的暴行の複雑な図式を理解するにはまだまだ道のりは遠い。

この点に関しては、おそらくルトーノーさんの物語の悲しい結末がいい教訓になるだろう。晩年の彼女は法律事務所の秘書として働きながら、時折インタビューに応じたり、地元のバーで「イケてる先生大集合」と題したイベントの司会を務めたりするなど、過去の知名度で小銭を稼いでいた。フアラアウさんとは2019年に別居した。どうやらルトーノーは最期まで自分の物語を、90年代のタブロイド紙と同じようにとらえていたようだ。「状況は2人にとって極めて不利でしたが、それでもなんとか結婚生活を長続きさせていました」。2人が別居した後、親しい情報筋はピープル誌にこう語った。「彼女のほうは今でも、自分たちの関係をめくるめくラブストーリーとして見ています」

【画像】極悪非道なレイプ犯に「将来の可能性」はあるのか? 判事の裁定めぐる不条理


Translated by Akiko Kato

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