クイーンのロジャー・テイラーが語るコロナ禍の生活、『ボヘミアン・ラプソディ』続編の可能性

ブライアン・メイの健康状態、気になる「続編」の可能性

―ところでブライアンはいかがお過ごしですか? 病気になったというニュースを聞きましたが。

ロジャー:そうなんだ。ツアーをキャンセルした後にブライアンが病気になってしまった。だから、パンデミックがなくてもツハーはキャンセルせざるを得なかっただろうし、これって皮肉だよね。ブライアンは今順調に回復に向かっている。毎日連絡を取り合っているんだ。でも、あのときは本当に恐ろしかった。彼もかなり怖かったみたい。奇妙なことだけど、僕たちは二重の意味で外出できなかったんだよ。クイーンのマネージャーも深刻な心臓発作を起こしてしまってね。そういう点でも今年はクイーンにとって非常に奇妙な年と言える。

―実は病気になる少し前にブライアンと話をしたのですが、そのとき、「『ボヘミアン・ラプソディ』の続編の話が出ているが、クイーンはそれに賛成しないことにした」と教えてくれました。過去にそういう企画が持ち上がったりしたのですか?

ロジャー:この質問の答えは「ノー」と言っておくよ。僕たちは1〜2年くらい映画から離れて状況を見極めながら、続編を作るのが正しいことなのかを考える必要があると思う。あの映画は大成功したし、それに関してはみんな嬉しかったよ。でも、そうやって大金を稼ごうとしていると再び世間に思われるのは嫌だね。だから続編を作るだけの価値がある相当優れた脚本でなければ動かないと思う。現時点では続編のことは頭の片隅にもないよ。

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―フレディとの最後のツアーは1986年で、彼の最期の年は非常にドラマチックで、多くの出来事がありましたよね。

ロジャー:うん、本当にそうだった。あれはライヴ・エイドの翌年だったね。天才的な計画を提示する人が現れたら、僕たちも考えて見るだろうけど(笑)、今のところ、あの映画で十分満足だ。それに、前編とマッチしない続編がたくさんあるからね。もちろん、前編をちゃんと引き継いだ続編もあるけど、この領域はけっこう危険が多いと思うんだ。

―最初の映画でオスカーを受賞したことに衝撃を受けたことと思います。そういうことは非常に稀ですから。


ロジャー:あれは異常な出来事だった。ゴールデン・グルーブ賞もあったし、BAFTA賞もあったし、最後にオスカーだった! 僕たちは「じゃあ、もらっとくか!」って思ったよ。最高の体験だったけど、僕たちが住んでいる世界じゃない。僕たちの世界はロックンロールの世界だから。もちろん、あっちの世界も魅力的だし、関わることができて興味深かった。あの映画が4部門でオスカーを受賞したとき、その事実を消化できるまでしばらくかかったよ。ただし、言っておくが、彼らは僕にもブライアンにも何もくれなかった。まあ、それでいいんだけどね。

Translated by Miki Nakayama

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