クイーンのロジャー・テイラーが語るコロナ禍の生活、『ボヘミアン・ラプソディ』続編の可能性

新曲「Isolation」とボブ・ディラン新作について

―では新曲「Isolation」が誕生した背景を教えて下さい。

ロジャー:ここの休暇用の家の地下に小さなドラムキットを置いているんだ。そのドラムキットを使ってInstagramでビギナー用のドラム・レッスンを始め、フォーマルなレッスンでは絶対に教えてくれないコツやプレイ、それも非常にシンプルなやり方だけを教えていた。フォーマルな楽器レッスンはどうも変な方向に向かっている気がする。とにかく、庭の日陰でそういうレッスンを行いながら、ふと「ここで僕たちは孤立している。この孤立の曲を作って、人々がどう反応するのか見るべきだな。同じ体験をしている人が世間にはごまんといるんだから」と思ったんだ。



―すべての楽器を一人でプレイしているのですか?

ロジャー:ああ、そうだよ。自分一人しかいないから全部自分でやるしかない。そうなったのは僕のせいじゃないけどね。

―どのように録音したのですか?

ロジャー:サリーの自宅に戻ってから……ここはロンドンの近くで、スタジオも併設しているから、スタジオに入って作業したよ。これは例の9週間が過ぎて移動が許されたあとのことだ。そうやって作ったこの曲をみんな気に入ってくれて僕も嬉しい。その場の思いつきで作ったものだし、状況に対する自分の反応を歌っている曲だから。

作っているとき、この状況が人々にどんな影響を与えるのかを考えていたよ。全員が同じとは言えないけど、この体験は多かれ少なかれ全員に影響した。今ではその影響を無視している人がかなりいるけど、そのせいで今後この影響で苦しむ人がたくさん出てくると思う。

―もっと楽曲を作ってソロ・アルバムを作るつもりはありますか?

ロジャー:ここ5年間ぐらいで2〜3曲をネットで公開しているし、いずれ出したいと思っている曲のストックも少しある。十分な曲数になったら、アルバムを作るのもいいね。

ロックダウン中に楽しんだことの一つがボブ・ディランを聞くことだった。部屋の中で彼の音楽を聞き直してゾクゾクしたよ。彼の新作に惚れ込んだね。彼は全曲とも1曲ずつ公開した。「アイ・コンテイン・マルチチュード」と「最も卑劣な殺人」(Murder Most Foul)は最高だよ。このアルバムが外出禁止期間中に大きな喜びを与えてくれた。

Translated by Miki Nakayama

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