VRはコロナ時代のコンサートの新形態となり得るか?

ゲーミフィケーションを用いたVRライブプラットフォームでのイベントの様子


「私たちは、いままでWaveのオーディエンスをゲーマーと音楽ファンという2つのグループに分けて考えていました。会社設立から4年のあいだにこの2つのグループが徐々に重なっていくのを目の当たりにしました」——Wave創設者・CEOアダム・アリーゴ

6月、同名のプラットフォームを運営するロサンゼルスが拠点のVRコンサートのスタートアップ会社Waveは、マヴェロン率いるシリーズBラウンドの資金調達でスクーター・ブラウンやアレックス・ロドリゲスなどから3000万ドル(約32億円)を調達したと発表した。これより前に同社は、より多くのアーティストを獲得するためにワーナーミュージック・グループ(WMG)とロック・ネイションともパートナーシップを結んでいる。多くのライブストリーミング会社がそうであるように、Waveもライブコンサートの代替手段となるのではなく、まったく新しい体験を提供するというスタンスを維持している。パンデミック以来Wave視聴者は急増しており、潜在的なパートナーからの注目度も高い。Waveの創設者でCEOのアダム・アリーゴ氏は、パンデミックに先立って資金調達ラウンドが始まった8カ月前からブレイクの兆しがあったと指摘する。

「より多くの人が(Waveを)利用し始めています。なぜなら、私たちのプラットフォームが提供するバリュー(価値)は、未だかつてないほど明確だからです」とアリーゴ氏は語る。「新しいものを作る最大の課題は、マネできるものがないこともそうですが、真価を伝えるためにコンセプトを常に売り込むことなんです。でも、資金調達ラウンドがメディアで報じられるや否や、誰もが急に理解しました。コンサートの中止や『フォートナイト』で開催されている大規模なイベントに加え、私たちが提案するバリューはますます明確になったのです」。“生粋の”VR会社として誕生したWaveは、FacebookのOculusデバイスのようなフィジカルなヘッドセットの使用をユーザーに推奨してきたが、年月を経てVR機器のいらないゲーミフィケーションを用いたアニメーションコンサートなどで成功を築いてきた。WaveアプリをオンラインゲームプラットフォームのSteamにダウンロードしたユーザーは、自分のアバターを作ってコンサート中に他のファンたちと交流することも可能だ。

同社を待ち受ける次のステップは、ストリーミング事業における収益構造の構築だ。さらに多くのスポンサーとともに、Waveはまもなくチケット制イベント、アプリ内購入、その他のVR商品を開発する予定だ。「私たちは、いままでWaveのオーディエンスをゲーマーと音楽ファンという2つのグループに分けて考えていました。会社設立から4年のあいだに大々的なライフスタイルゲームの台頭とともにこの2つのグループが徐々に重なっていくのを目の当たりにしました」とアリーゴ氏は言う。

アリーゴ氏はさらに次のように続けた。「ジョン・レジェンドのようなアーティストを視野に入れるのは重要です。一見彼は、私たちの主なユーザー層であるゲーマーに対応できるようなアーティストではありません。しかしながら、YouTubeのジョン・レジェンド体験にはゲームの要素もありました。大切なのは、アーティストとファンをつなぐことで、そのために私たちはゲームというテクノロージーを活用しています。だからと言って、Waveの番組を視聴するために『フォートナイト』プレイヤーである必要はないのです」。

Translated by Shoko Natori

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