尾崎豊とCHAGE and ASKA、国立代々木第一競技場をめぐる2組のライブ盤を検証

ひとり咲き / CHAGE and ASKA

「声を聞かせて」という風に言っておりますけど、その曲はこの後にお送りしようと思います。この会場で「はなー! こいー!」と叫んでいらした、当時は19歳の方なんですが今は56歳ということになります。お元気なんでしょうか? このライブビデオテープが発売されておりまして、私事なんですが、初めてCHAGE and ASKAと仕事をしたのがこのライブの映像なんですよ。「代々木のライブ映像出したいんだけど作ってくれませんか?」って言われたのが最初でした。当時はまだライブ映像が多くなくて、しかも、まだヒット曲がそんなにない時のCHAGE and ASKAですから、ライブだけそのままパッケージにして大丈夫かな? と思って色々な映像を入れたんです。2人それぞれのキャラクターに合った演技をしてもらったんですね。当時このライブ映像をご覧になった方は、なんで2人にこんなことさせるんだと思った方もおいでだったかもしれませんが、それは僕がやりました(笑)。でもそれが、彼らのその後のステージで別々の映像が使われたりするきっかけになったんではないかな、と思ったりしてるんです。あながち突拍子もないことをやったとは思ってないんですけどね。でも当時はね、CHAGEさんとASKAさんが50:50だったんですよ。さっきのCHAGEのMCの後に歌われた曲が「Fifty-Fifty」なんですけど、それが徐々にバランスが変わってきたというんでしょうかね。アマチュア時代からずっとライブをやっていて7人編成だった彼らが2人でプロになって、当時必ずライブで歌う曲があったんですね。それに代わって、この日のために作ったのが「声を聞かせて」なんです。これはCDになっていないので、ラジオで聴いた事がないという方が多いのではないでしょうか。

「声を聞かせて」 / CHAGE and ASKA

ライブの4日前にASKAさんが作った曲ですね。この日のために作った新曲を客席と一緒に終わる事で、序章にピリオドを打ったという曲でしょうね。ASKAさんが初めてピアノで作った曲です。練習曲ということもあるんでしょうか。この曲はシングルにせずに翌年1984年2月に初めてピアノで作ったというシングル『MOON LIGHT BLUES』が出るんですね。この曲を聴いた時に、「いい曲だな、CHAGE and ASKAが全然違うところに来た」という印象があります。そして、これも私事なんですが、この曲のプロモーションビデオは僕が作ったんですね。お金がなくて色々大変でした。撮影が井出情児さんというカメラマンさんだったんです。映像は少し恥ずかしくて自分でも観る事ができないですが、当時のミュージック映像の中では結構ストーリーがあって面白いんではないかなと思いますね。これをやろうって2人に言った時に、「“歌う天気予報”じゃないからやろう」と言った記憶がありますね。歌う天気予報っていうのは、2人が海岸線を歩いているの天気予報みたいな映像が多かったんですよ。お聴きいただいたのは、『1983.9.30 CHAGE&ASUKA LIVE IN YOYOGI STADIUM』から「声を聞かせて」 でした。

Rolling Stone Japan 編集部

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