Suspended 4thが語る楽器へのこだわり「他のバンドと違う一番の理由」

今の時代に抵抗しながらもこだわりを追求するドラマー

ードラムは?

デニス・ルワブ:スネアドラムは友達と交換して貸してもらってます。交換する前は13インチのLudwigだったんですけど、薄めの方が好きだなってことに気がついて。気に入ってる点は、スネアらしい音を生み出すスナッピーという部分が、皮の部分からはみ出して取り付けられてるんですよ。全面あたりという方式なんですけど、音が目立ちやすくなるんです。皮はメーカーさんに送っていただいた新製品で、EVANSのUV2なんですけど、あまり気に入ってないですね。G2の方が圧倒的にいい。1と2があって、1は1枚の皮なんですけど、2は薄めの皮が2枚で、スティックが皮に当たった時の音が際立つんです。僕は細かいプレイをよくするので、当たった瞬間に弱くてもスナッピーが反応してくれるチューニングを心がけてます。

あと、シンバルスタンドにもこだわってますね。このスネアのスタンドの方は、こんなに斜めに立てて頑丈に作られてますけど、美しくないですよね。僕は真っ直ぐでシンプルな方が好きなんですよ。シンバルスタンドって普通、パイプを組み合わせて作るんですけど、これはパイプでなく、一本の棒になってる。これは昔のLudwigのシンバルスタンドの製法を元にTAMAが作ったものなんです。ただ、気に入らない部分もあって。ネジが元々は黒いプラスチック製だったんですよ。こんなに作り込んでるのに、何でプラスチックのネジを使うんだよ?と思って。プラスチックは音を吸収しますからね。ホームセンターに行って、これに合う金属製のネジを探して変えました。規格はM8です。


デニス・ルワブ(Dr)

ーキックの方はツインペダルなんですね。

デニス・ルワブ ツインペダルを使うヤツなんて、ナンパな野郎だと思ってたんですけど、実際に使ってみると便利でしたね。

鷲山和希:そもそもデニスが「キックペダルを使えばいいのに」っていうくらい、ハイハット・ワークをスゴくやってて。しかもやってる位置が表じゃなかったんです。それで、俺が「一回黙って、ツインペダル使ってみてよ。これやるからさ」って言って与えたんです。

デニス・ルワブ:キース・ムーンもツーバスだったから、まあいいかと思って。ちなみに、普通のペダルだと、チェーンがナイロンのベルトで接続されてることが多いんですけど、これは金属の棒で連結されてるタイプなので、かなりスムーズな動きをします。けっこうこの方式は、1930年代とかのバスドラのペダルでも採用されてるもので。セッティングによって棒が遠回りの動きになるんです。でも足を前に出せば、静かなプレイもできる。革靴だと隙間があるので、プレイしやすいんです。TAMAはツインペダルでよくぞこの方式を出してくれたなと思いますね。でも、「Dyna-Sync」のロゴ、要ります?!

一同:(爆笑)

デニス・ルワブ:僕の一番核になるのは、ドラムスティックだと思うんですけど、Pro-MarkのTX7AWっていう、ちょっと細めの7Aという規格のものを使ってます。細めだと、太いところで叩くのと、細いところで叩くのとで、音が全然違って。音ににごりがなくて、きれいに聴こえるんです。よく対バンのスティックを見てると、意外とみんな太いのを使ってるんですよ。太いし、重いから疲れるのに。

鷲山和希:でもレジェンドはみんな細いのを使ってるよね。

デニス・ルワブ:僕は当時の人になりたいんですよね。現代は嫌ですね。この時代に生まれたことをどうにかしたいんですけど。

鷲山和希:でも、もう2020年だよ(笑)。


<INFORAMTION>


『GIANTSTAMP』
Suspended 4th
PIZZA OF DEATH
発売中

Suspended 4th(サスペンデッド・フォース)
2013年結成。名古屋出身。通称「サスフォー」。名古屋の栄で路上ライブを中心に活動。路上ライブでの圧倒的なパフォーマンスやフィールド・レコーディングで注目を浴びる。2018年6月にシングル「ストラトキャスター・シーサイド」を発表、8月にはストリート・ミュージシャンを集めた野外フェス「Street Musician Summit」を開催。その後、自主音源『INVERSION』を発表。2019年1月に一発録りのインスト・ライブ音源『20190121』を発表。2019年7月にPIZZA OF DEATHより『GIANTSTAMP』をリリースしている。
https://suspended-4th.com

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