Suspended 4thが語る楽器へのこだわり「他のバンドと違う一番の理由」

1961年製のジャズベースとの出会い、そしてPETERSONのチューナーの存在

ーベースは?

福田裕務:1961年製のジャズベースで、去年の12月に買ったばかりです。それまでは1972年製のジャズベースをずっと使ってたんですけど、Suspended 4thって嫌なバンドで、70年代のヴィンテージのことを「中古」って言うんですよ。俺は1972年製をけっこう気に入ってたんですけど、「INVERSION」とか「GIANTSTAMP」といった楽曲が出来た時に、70年代のベースの音がちょっと腰高に感じてきて。レコーディングの時にも、「もっとロー感が欲しい」って言われるようになったんですよ。それで「やっぱ60年代か」って覚悟を決め始めてて。1960年のリフィニッシュの個体があったので、狙ってたんですけど、実際に弾きに行ったら今イチで。で、その横に、値段が倍以上しやがるのがいたんですよね。その時はメンバー全員で行ったんですけど、Suspended 4thって良くないバンドで、悪ノリが始まるんですよ。高いから眼中になかったのに、鷲山が店員に言って、勝手に持ってきちゃったんですよ。で、弾いたら最後って感じで。これしかないよなって感じになっちゃって。しかもローンも通っちゃって(笑)。




福田裕務(Ba)

ーベースのエフェクターは?

福田裕務:俺も薫田さんにお世話になってます。Zahnradから出てる4000preっていうブースターを、さらに僕に合うように作ってもらった、4000preの10倍スゴい、40000preって言うのがあります(笑)。これは奇跡的に、僕の1961年製ジャズベースとめちゃくちゃ相性がいいんです。それで鷲山のボードにもある、チューナーと分岐するセレクターが来て。そこからAguilarのTLCコンプ。で、ベースファズはBassmaster fuzzっていう、買ったら30万くらいする70年代のファズを元に、凶悪さを残しつつ、もっと扱いやすくしたようなものになってます。その次のSHIGEMORIのG.O.T Bass Driveは、オーバードライブなんですけど、プリアンプみたいな感じで使ってますね。チューブアンプを歪ませたようなニュアンスで出るので、ロー感がドシッとブッとくなるんですよ。TECH 21のQ STRIPっていうイコライザーは、スラップ用に使ってます。3キロ、4キロあたりをブーストして、スラップのバキッとした金属的なニュアンスだけを上げるんです。原音があまり変わらないまま上げられるんですよ。で、その後に来るDarkglassのB7Kはベースソロ用で、とにかく派手で目立ちたい時にONにします。

澤田誠也:あと、言い忘れてたんですけど、メンバー全員PETERSONのチューナーを使ってるんですよ。

鷲山和希:他のバンドと違う一番の理由はこれだと思いますね。めちゃくちゃピッチがいいんで。

澤田誠也:機種によってフィールが違うんですよ。

鷲山和希:俺のヤツはちょっと丸いんですよ。俺はバッキングなので、コード感が出た方が良くて。この二人は単音でリードを取るので、硬くてロックっぽいんです。しかもこのチューニング、そもそもが合わないんですよ。普通、チューニングが合うと針って止まるじゃないですか。ちょっとズレてても、「合ってますよ」って、ピタッと止まる。これはどれだけ合わせても、「ちょっと高いけど、大体合ってるからいいんじゃね?」みたいな感じで、針が微妙に動いてるんですよ。めちゃめちゃ厳しいんですけど、合わないということを提示してくれる感じが信頼できますね。厳しい先生が一人ずつ付いてる感じですよ(笑)。

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