TikTokが協力、多様な学生を対象にした「作曲家アカデミー」設立へ

TikTokとAfter-School All-Starsの作曲家アカデミーに賛同するアーティストの一人、ティンバランド(Photo by Amy Harris/Invision/AP/Shutterstock)

音楽業界の人種と平等をめぐる議論を受け、TikTokとNPO青少年プログラムAfter-School All-Starsは、音楽出版社ソニーATVミュージックパブリッシングおよびシラキュース大学の音楽エンターテインメント業界専科バンディエ・プログラムとの提携で、この夏マイノリティ・コミュニティを対象にした「作曲家アカデミー」を設立する。

アカデミーでは、全米各地から選抜された中学1年生から高校3年生までの有色人種の生徒13名が、作曲の創作面、技術面、ビジネス面についてリモート授業で学ぶ。授業では曲の構造、著作権、音楽出版、音楽制作、販売宣伝戦略などもカバー。各種作曲の実習も行われる。授業の最後には、生徒たちは音楽業界のプロの前で自作の曲を披露。またAfter-School All-Starsの指導スタッフがマンツーマンで講義をサポートしてくれる。

アカデミーの発案者はTikTokの音楽コンテンツ・レーベル提携部門のシニアマネージャー、ダニー・ギリック氏。同社が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の緊急食糧支援プログラムでAfter-School All-Starsと組んだのがきっかけだった。4月から具体的に動き出したが、ジョージ・フロイドさんの事件でさらに重要性が増した。

「これまで大事にされてこなかったコミュニティの生徒に、自分たちの声を届け、志を共にするクリエイティブな仲間とつながれるチャンスを提供する。そんなプログラムを立ち上げることにしました」と、ギリック氏は声明の中で述べた。

全4週間のコースにはスターらも手を貸している。TikTokとソニーは幅広いジャンルからアーティスト、ソングライター、プロデューサーを募り、プログラムに参加してもらった。その中にはグラミーを4度受賞したティンバランドや、リル・ナズ・Xの記録的ヒット曲「Old Town Road」を共作したJOZZY、ビッグ・ショーンの「I Don‘t F**k With You」やマック・ミラーの「Self Care」など数々のミリオンヒットを生んだプロデューサーDJ Dahiなどが名を連ねる。ジャック・ハーロウ、Tiagz、JetsonMade、Isley Juber、Tainy、アニッタ、メラニー・マルティネス、Mikey Keenanといったアーティストも参加している。

さらにTikTokは、前述のアーティストやプロデューサーがそれぞれの作曲プロセスの裏側を披露するライブストリームも毎週配信する。第1弾はバンディエ・プログラムのディレクターを務めるビル・ワーディ氏の司会で、ティンバランドとJozzyの対談が予定されている。こうした対談はその週の授業にも絡んでいく予定だ。

Translated by Akiko Kato

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