他人を混乱させて責任を錯覚させる心理操作「ガスライティング」とは?

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音楽学校教師で産業カウンセラーの手島将彦が、世界の音楽業界を中心にメンタルヘルスや世の中への捉え方を一考する連載「世界の方が狂っている 〜アーティストを通して考える社会とメンタルヘルス〜」。第32回は、他人をコントロールする行動「ガスライティング」をテーマに産業カウンセラーの視点から考察する。

J.Coleの新曲「Snow On Tha Bluff」のリリックの中に、ラッパーのNonameをディスしたとも解釈できるラインが含まれているとして、騒動になりました。その際にChance The Rapperは「男は家父長制とガスライティングを建設的な批判として覆い隠そうとする」とJ.Coleに対して批判的なコメントを出しています。この「ガスライティング」という言葉ですが、まだ日本では馴染みのない言葉かもしれません。ガスライティングとは、イングリット・バーグマン主演の映画「ガス燈」に由来する心理的虐待の一つで、誤った情報を信じ込ませることで被害者の方が自分を責めるように仕向けるコントロール行動のことです。イングランドおよびウェールズでは「重大な犯罪法(Serious Crime Act)」が2015年に改訂され、このガスライティング行為は罰金刑、または最高5年まで懲役刑に科せられることになっています。


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