グリフィンが語る、生楽器とエレクトロニック・ミュージックの融合

これまでで一番変わったソングライティング

ー今までやってきた中で、一番変わった曲作りは何ですか?

グリフィン:いろいろあるからね。時間がかかることもあるし、いくつもヴァージョンを変えて作ることもあるし。「Feel Good (feat. Daya)」という曲の場合は、最初は教会のオルガンにシンガーのDayaの声が乗っているだけの感じで、いろいろヴァージョンを作ってみたんだけど、なかなか気にいるものが出来なくてね。たまたまデンバー州コロラドでオフの日があった時に、Illeniumに連絡して、「Dayaと曲を作ってるんだけど、行き詰っちゃってね」って言って、曲のアイデアを聴かせたら、「カッコいいじゃん。スタジオに来なよ」って言ってくれて。彼のスタジオまで車で行って、曲に取りかかったんだ。それをDayaに聴かせてみたら、「超カッコいいわね」って言うから、2日後にはLAで彼女と合流して、新しく作ったトラックで2番目のヴァースとブリッジとコーラスのヴォーカルを録って、作り直してみたんだ。紆余曲折はあったんだけど、良い曲が出来たよ。だから、どの曲も作り方が違うんだ。一番変わった曲作りは何か?って言われると難しいけど、メールやSkypeで作ったこともあるよ。それで、ロンドンにいるアーティストと実際に会うことなしに、一緒に曲を作ったこともある。まあ、それが今どきの音楽の作り方なのかもしれないけれど。



ー昨年10月にデビュー・アルバム『Gravity』を遂にリリースしたわけですが、現時点の自分のいろいろな面を見せたかったですか? それとも事前にコンセプトを立てたりしましたか?

グリフィン:まず最初に、「Nobody Compares To You」をリリースたんだ。そこからさらに2曲リリースしたんだけど、ちょっとおかしな時期に突入してしまってね。ヴォーカル・パートを作るのに苦戦してしまって。「Tie Me Down」とかけっこう時間がかかってしまったんだ。そこで行き詰まってる間に、同時に他の曲もいろいろ作り始めてみたんだ。その出来上がった曲をまとめて見た時に、「ワオ、この夏でけっこうたくさん曲を作ったな」って思わされて。そこから、曲をまとめてアルバムを出してみようってことになったんだ。どの曲も、そこにはアイデンティティがあったからね。今までの僕は、曲が出来たらすぐにリリースしたいタイプだったし、シングル・アーティストのイメージがあったと思うんだけど、アルバム・アーティストとしてやっていこうかなと思ったんだ。でも、そこで特にプレッシャーもなしにアルバムを出せたのは良かったと思う。偶然アルバムを出せた感じではあるんだけど、アルバムを出せて本当に良かったよ。今では周りが僕のことをアルバム・アーティストとして見てくれるし、今スタジオで新曲を作ってても、もう次のアルバムのことを考え始めてるくらいだから。



ー最初は人の曲のリミックスをやっていたグリフィンがアルバム・アーティストになったわけですが、ここまでの道のりはどうでしたか?

グリフィン:最高だったね! もちろんリミックスも楽しかったし、今でもやりたいくらいなんだけど、自分の作品の場合、良いものを作ったら作っただけ返ってくるものがうれしい。それに、今は自分が好きなもの、自分がやりたいことに対するアーティストとしての自信もかなりついてきた。みんなに向けてどういうものをリリースしたいのかもわかってきた。曲作りの方も作詞も含めて、すべてのプロセスに関われるから、スゴくやりやすいし、最高でしかないんだ。

ーでも、3年前に会った時から、すでに今やっていることのヴィジョンを持っていましたよね。これはただもう形にしていっただけですか?

グリフィン:そうだね! 自分のやりたいオリジナルの音楽を作るのに少しだけ時間がかかったけど、今の自分はクリエイティブ的にもスゴく良い状態にあると思うね。

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