羊文学・塩塚モエカ×君島大空 共鳴し合う2人がギターを奏でる理由

塩塚モエカと君島大空(Photo by Kana Tarumi)


お互いの作る音楽に思うこと
「綺麗だと思うものが近い」

ーお互いの音楽活動に対する印象は?

塩塚:絶対に真似できない! 昔から弾き語りしてるところを見ながら「この人どうなってるんだろう?」と思ってたけど、最近はバンドセットでもやるようになって(ドラマーの石若駿、King Gnuのベーシスト新井和輝、中村佳穂BANDなどに参加するギタリストの西田修大を交えた4人編成)、ますます意味がわからなくなってきて……いい意味で。羊文学は結構ストレートでパンクっぽい精神があると思うんですけど、君島さんのバンドは(音が)何層にも重なり合っていて、誰にもできないことをやってるなって。


2020年2月19日、渋谷WWWXにて行われた君島大空合奏形態『夜会ツアー“叙景#1”』追加公演の映像。上述の4人編成に加えて、タグチハナがコーラスで参加。

君島:今でこそバンドでやったりしてますけど、それは自分の中でかなり実験的なことで、そもそも僕は歌いたいって気持ちがないんですよ。モエカちゃんと出会った頃も、(サポートギタリストとして)エレキギターを弾きながら、どうやって自分を殺して歌を映えさせるかばかり考えていました。でも一方で、フロントマンとして歌う人への憧れもあるんですよね。だから、僕が(人前で)ギターを弾いて歌い始めた頃からよく聴いてました。言葉を借りるようだけど、僕も絶対に真似できないと思ってます。それは今もずっと。

塩塚:その話ヤバい! 泣きそう!


SPACE SHOWER TVとJ-WAVEの公開収録企画「DRIP TOKYO」での羊文学のスタジオライブ

ー自分にはない部分をリスペクトし合っていると。「似てる」と思う部分はありますか?

塩塚:MCの声が小さい(笑)。

君島:それでシンパシーを抱いたのは覚えてる。僕は本当にMCの声が小さいんですよ。

塩塚:超何言ってるかわからない。

君島:でも、弾き語りで共演したとき、モエカちゃんも同じくらいMCの声が小さくて。「これは友だちになれる!」と思ったんです。

塩塚:それで初めてちゃんとしゃべったんだよね。「マジで声小さいね、私と同じくらい声が小さい人は初めて見た」みたいに言った気がする。

君島:うれしかったですね。「私と同じくらい」って前置きがあるのもうれしかった。僕もそう思ったよ、って。

ーいい話ですね。音楽的なところでいうと?

君島:「こういうジャンルが好き」みたいなのはわからないけど、(好みが)似てると思う部分はありますね。「音がこうなってる状態が好きなんだろうな」というのは何となく感じます。

塩塚:綺麗だと思うものが近いのかなって。前に送ってくれた「So」もよかったな。

ーオヴァルのマーカス・ポップが日本人女性とやってる歌ものユニットですよね。



君島:モエカちゃんがSoundCloudにアップしてた……ジェイムス・ブレイクのギター版みたいな、弾き語りですごくハモった曲を聴いて「So」を想起したんです。器楽的に声を使ってる感じとか。それで好きかしらと思い、「こんなこと一緒にできたらいいね」と送ってみて。僕は歌うというより、家であんなふうにコーラスを多重録音することにメモリを割くほうが好きで、(塩塚にも)その片鱗を感じています。

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