ジューダス・プリーストのロブ・ハルフォードが力説、ゲイをカミングアウトした経験から学んだこと

―あなたを今でも感動させるのはどんな音楽ですか?

ロブ:昔から私の音楽テイストは折衷主義だ。メタルが自分の人生を牽引した音楽だが、どんなジャンルの音楽でも聞くね。そのときどきの気分次第だ。「アレクサ、パヴァロッティを頼む」と言って、あの人間離れした素晴らしい声を聞く。そうかと思えば「アレクサ、ボブ・ディランをかけて」と言ったりする。最近はよくボブ・ディランを聞いているよ。そして、私のパートナーであるトーマスは彼の自伝を読み終わりそうで、彼が読み終えたらひったくるつもりだ。それに「アレクサ、ドリー・パートン、ブラック・サバス、スコーピオンズ、ディープ・パープル、トゥール、デヴィッド・ボウイをかけてくれ」みたいに、いろんなアーティストをかけるようにアレクサに頼んでる。

―今はどんな本を読んでいますか?

ロブ:最近はダラダラ過ごしているんだ。トーマスがボブ・ディランの本を読み終わったら、ひったくるのを楽しみにしている。仕事場に何冊か本があるんだけど、その中に『ライラの冒険』のフィリップ・プルマンの最新本があって、私に読んでもらうのを待っているよ。あと、ケント・フォレットの新作も早く読みたいね。

―ジューダス・プリーストは「ヘヴィメタル」という言葉を使った最初のバンドの一つですが、この言葉を選んだ理由はなんですか?

ロブ:私たち自身がヘヴィメタルだし、話す言葉もヘヴィメタルだ。それが私たちの音楽なのさ。プリーストの大きな功績の一つが、「ペインキラー」なヘヴィメタル・バンドになり、「ターボ・ラヴァー」なヘヴィメタル・バンドになったこと。これは、本当に、この点でプリーストに匹敵するバンドは他にいないと思う。私たちのメタル人生を包括的にして、たくさんの捻りと変化を与えたものがこれなんだ。プリーストを始めた初日から、世間が思うヘヴィメタルという枠を超えると決めていた。ただし、ヘヴィメタルの定義である大きくて分厚いリフやそれ以外の必要なものは全部カバーする。つまり、これは自分を表現する方法の一つだし、私たちにはそう信じる必要があったんだ。




―もともとヘヴィメタルのどんな点があなたに響いたのですか?

ロブ:カタルシスがある部分だね。ボーカリストとして、あんなふうに原始的な形で声を解放できることが、不安、緊張感、恐れ、喜びなどをすべて放出できる方法だった。今でもそんなふうに感じているよ。

―自分の歌声を見つけたと思ったのはいつですか?

ロブ:そうだな、たぶん(1976年の)『運命の翼』の頃かな。あの方法でレコーディングするという点でね。どうなんだろう。若い頃にやっていたバンドが私のメタルの翼を広げる機会を与えてくれたし、自分の声の可能性を教えてくれたと思う。でも、スピーカーを通して自分の声を聞いて初めて、本当の可能性に気づくんだ。今でも声の中にエクストラなニュアンスを入れ込む工夫を常に忘れないし、それを楽しんでいるよ。

Translated by Miki Nakayama

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