ジューダス・プリーストのロブ・ハルフォードが力説、ゲイをカミングアウトした経験から学んだこと

ジューダス・プリーストのロブ・ハルフォード(Illustration by Mark Summers for Rolling Stone)


―ソーシャル・ディスタンシングを強制されている今、正気を保つにはどうしたらいいと思いますか?

ロブ:これに関して最も難しいのは、誰にでも独自の習慣があることだと思う。慣れ親しんだ習慣が完全に中断されたわけだ。これが多くの人々のメンタルに作用している今回のパンデミックの悪影響だ。だから、ある種の正気を保とうとする努力が重要になってくる。そのかっこうの方法は気持ちを吐露することだ。電話でも、ビデオチャットでも、メールでも。みんながコミュニケーション方法を開放しておくことが大切なんだよ。

―成功をどう定義しますか?

ロブ:成功とは、自分の夢と野望が何かに気づくこと。売れたレコードや壁にかけてある盾の枚数で成功の度合いを測ったことは一度もない。こういうご褒美……世間ではそう呼ぶようだから……とにかく、こういうご褒美は、成功が自分にもたらしたものを再確認する美しい証ってだけだ。私が成功と思うのは、最高の楽曲を作ることであり、最高のライブを行なうことだよ。私は裕福さを誇示するタイプじゃないし、車も一台だけだ。もう15年くらい乗っている古いキャデラックだけ。私が持っているのはそれだけだし、必要なのもそれだけなんだ。きっと労働者クラスで生まれ育ったことでこういう気質になったんだろうね。



―労働者クラスで生まれ育ったからこそ学んだことは何ですか?

ロブ:あの頃はすべてにおいて厳しかった。家族の収入はわずかばかりで、母親が父親の給金を数える姿を目の当たりにするわけだ。来週まで生き延びることのできる金があるかって母が数えるんだ。ほんと、ギリギリの暮らしだった。今でもそういう暮らしを強いられる人がたくさんいるし、そういう環境で育つと、自分には何が必要で何が不要か、何が余分かと考えるようになる。それに、みんなもよくわかっている通り、重要なことは冷蔵庫に食料があって、子どもが靴を履いていることだ。

―あなたはイギリスのバーミンガム郊外の出身ですが、今でも「自分はバーミンガム人だな」と思うことは何ですか?

ロブ:訛りがあることだ。今でも訛っているのが嬉しいね。あと、自分はいろんな部分でかなり現実的な男だって思いたい。これは自分のルーツ的な気質なんだ。自分を理想の人物に祭りあげたいなら、自分のことをダブルチェックする必要はないし、自分で「私はメタル・ゴッドだ」と言う必要もない。そういうことだよ。つまり、確かに私はメタル・ゴッドだけど、それはステージの上でのこと。そういう価値のあることも価値のないことも、自分という人間の奥底で融合していると思うね。

―自分をメタル・ゴッドと呼ぶに相応しいタイミングはどうやって知るのですか?

ロブ:(笑)ステージの上にいるときだけだよ、そう感じるのは。ステージに上った瞬間にすべてが一変する。ステージに立ってマイクを持った途端、自分の中で何かがシフトするのを感じるし、突然メタル・ゴッドが登場する。公衆電話ボックスに入ったらスーパーマンに変身して出てくるのと似ているね。彼はマントとタイツ姿だけど、私は革のパンツを履いているわけだ。

Translated by Miki Nakayama

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