黒田卓也×YonYon、クリエイティブで日本と世界を繋ぐ2人の哲学

トランペットが魅力的な楽器である理由とは?

ー黒田さんはNYのチャーチ(教会)で開催されるゴスペルセッションで演奏を磨いたそうですが、YonYonさんの歌のルーツもゴスペルの聖歌隊にあるんですよね。

YonYon:教会に通っていたので、小学生の頃は聖歌隊で歌っていました。それと実は、小中高とずっとトランペットを吹いていたんです。黒田さんはもちろんトランペットの巨匠だし(笑)、そういう意味では共通点はいくつかあるのかなって。

ーYonYonさんは元々、バイオリンやクラシックピアノをご両親から習わされていたけど、自分の好きな楽器がやりたくてトランペットを始めたそうですね。

YonYon:本当はトロンボーンが吹きたかったんですよ。小学校の運動会で毎年マーチングバンドのメンバー募集があって、その最前列で演奏するのがトロンボーンだったからカッコいいと思ってやりたくて(笑)。でも、オーディションで「やりたい楽器を吹いてみなさい」と先生に言われて、トロンボーンを吹いてみたら、いくら頑張っても音が出なかったんです。

そのあと、「あなたの唇の形だとトランペットがよさそう」と言われて、しぶしぶ吹いてみたら、高い「レ」の音がプーっと出て。「あなたは才能があるからトランペットをやりなさい」ということで始めました。

ー小中高とずっと続けられたのは、それだけトランペットに魅力を感じていたから?

YonYon:うーん。めっちゃ熱中していたというよりは……吹けば吹くほど上達するのが楽しかったから。中高が韓国の学校だったから勉強が厳しくて、そのストレスを音楽でアウトプットするためにトランペットが必要だったんだと思います。


Photo by Kana Tarumi

ー今更ですが、黒田さんは数ある楽器のなかでどうしてトランペットを選んだんですか?

黒田:兄貴がトロンボーンやってたんですよ。中学・高校のビッグバンドで。

YonYon:奇遇ですね(笑)。

黒田:そう。兄貴とはケンカばかりしてたから、絶対に運動部に入ろうと思ってたんですけど、体操部の部室に行くにはビッグバンドが練習している前を通らないといけなくて。そこで兄貴の友達に捕まって、無理やりトランペットを吹かされたんですけど、悔しいことに面白かったんですよ。次の日から毎日行くようになって、すっかりハマっちゃいましたね。

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ートランペットはどこがそんなに楽しいんですか?

黒田:他の楽器と比べて、音がすごく目立つんですよ。ハイリスクハイリターンですね(笑)。ハマった時の喜びはひとしおだし、失敗したら赤ちゃんでもわかると思う。「あいつ間違えたぞ!」って。

YonYon:私もめっちゃ怒られました、音外すなって。

黒田:外れるっちゅうねんな(笑)。

YonYon:本当に難しいんですよ。ボタンが3つしかないから、音階を呼吸で調整しなきゃいけないし。

黒田:無茶苦茶難しい。いまだに嫌ですもんね。「報道ステーション」でNYから生中継したときなんて一生分緊張しましたよ。「外したらどうしよう!」って(笑)。


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