[Alexandros]ライブレポ「変わってしまった世界に刻む、変わらぬ存在の強さ」

オンラインでも溢れ出ていたライブバンドとしての誇り

川上の「まだまだいけますか!」という言葉を受け、後半戦へ突入。ライブバンドタイムを「Oblivion」で封切ると、怒涛の勢いでアグレッシブなナンバーを繰り広げていく。「Burger Queen」ではクールなロックンロールを鳴らし、「For Freedom」では我慢の限界とばかりに暴れ始める。彼らの原点ともいえる『Where’s My Potato』からの選曲は、バンドの10周年に思いを馳せると共に、ライブバンドとしての誇りを示していた。「オンラインだからって、シンガロングさせないと思うなよ!」と煽り、「Dracula La」へ。川上の期待に漏れぬ歓声がコメント欄を覆いつくし、抜群の一体感を生み出していく。メンバーの満足そうな表情は、まるでオーディエンスの歌声が聴こえているかのようだった。

勢いとどまることなく「Waitress, Waitress!」になだれこみ、「Mosquito Bite」「city」とラストスパートを突き進む。トリを飾ったのは、電子音のイントロから一気に駆け抜ける「Kick&Spin」だ。今ある全てを吐ききるようなパフォーマンスは、ロックバンドが配信ライブで伝えられる限界に挑戦しているよう。“生きてゆけ”とハッキリ伝えられた言葉には、溺れそうな現実に負けることなく生きていこうと、その先で絶対にまた会おうという力強い意志がにじんでいた。

本編終了後、楽屋裏でのトークを挟み、メンバーは再びステージへ。アンコールとして「PARTY IS OVER」と「starrrrrrr」を演奏すると、満足そうな面持ちで画面からフェイドアウトしたのだった。

“世界は変わった。私たちは変われるか。”というコピーが違和感なく馴染むくらい、日常はガラッと変わってしまった。たしかに、変わらなきゃいけないのかもしれない。そういうタイミングに直面しているのかもしれない。しかし、それと変わることを望んでいるのかどうかは別の話だ。願わくば画面越しでなく直接音を感じたいし、知らない人とサークルを組んでツーステップを踏みたいし、大きな声でシンガロングもしたい。そんな希望を持ち続けることは悪ではないと思うのだ。だって、10年間ライブバンドでい続けたアーティストが、いろいろなことを加味した上で「また会いましょう」と約束をしてくれるのだから。また[Alexandros]の生音に身をゆだねられるその日まで、この日の歌や音や言葉をお守りにしていきたい。

「Party in ur Bedroom」
SET LIST

1. Starrrrrrr (Bedroom ver.) 
2. Run Away (Bedroom ver.) 
3. Leaving Grapefruits (Bedroom ver.)
4. Thunder (Bedroom ver.) 
5. 月色ホライズン (Bedroom ver.)
6. Adventure (Bedroom ver.) 
7. rooftop ※新曲
8. Oblivion
9. Burger Queen
10. For Freedom
11. Dracula La
12. Waitress, Waitress!
13. Mosquito Bite
14. city
15. Kick&Spin
ENCORE
EN1. PARTY IS OVER
EN2. Starrrrrrr

<INFORMATION>

Concept Album
『Bedroom Joule』
[Alexandros]
各サブスクリプションサービスにて配信中
※CDは8月26日に発売予定



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