史上最高の「タイムトラベル映画」20選

6位『LOOPER/ルーパー』(2012年)

「タイムトラベルものには目がないんだ」と、ライアン・ジョンソン監督はローリングストーン誌に語った。「僕ぐらいオタクになると、話の流れを紙に書き出すのが楽しくて仕方ないんだ」 だが監督は、プロの殺し屋が30年前にさかのぼって標的を片付けるというストーリーを、代数の宿題のような難解ものにはしなかった。代わりに『LOOPER/ルーパー』では、ブルース・ウィリス演じる年老いたヒットマンがジョセフ・ゴードン=レヴィット演じる若かりし自分と対峙する。作品にちりばめられたSF的な趣向とスリルの中でもとくに秀逸なのが、ダイナーで2人の主人公が対面する場面。若者は未来の自分をにらみつけ、決してああはなるまいと誓うのだ。




5位『プライマー』(2004年)

綿密に練られた、上級者レベルのタイムトラベル・ムービー。複雑でヒネリの利いた展開や専門用語が満載で、何人もの自分が互いに騙しあいを繰り広げる。同時に心躍るような魅力的な作品でもあり、一度見終わったらもう一度見直して、つじつまが合うかどうか確かめたくなる(実際ちゃんと合っている)。7000ドルという驚きの低予算で作られたシェーン・カルース監督のデビュー作は、ITスタートアップ企業を扱った傑作でもある。機能するタイムマシンを作ったエンジニアの仲間たちは、倫理的な結果はそっちのけで金儲けに走る。



4位『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985年)

爆笑、スリル、そして信じがたいほどオイディプス的。マイケル・J・フォックス演じるマーティ・マクフライは1955年へタイムスリップし、偶然にも両親の出会いを妨げてしまう。代わりに母親は彼にネツを上げてしまうのだ。幸いフォックスは、オイディプスのように目玉を抜かれずに済んだ――その代わり彼は、両親が恋に落ちて自分がちゃんと生まれてくるよう奮闘する。最高の小ネタをひとつ。1955年、マクフライは木に衝突してなぎ倒してしまうが、1985年に戻ってみると、ショッピングモールの名前がツインパインズ・モール(二本松モール)からローンパイン・モール(一本松モール)に変わっている。

●マイケル・J・フォックスが『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を語った、1985年の秘蔵インタビュー


Translated by Akiko Kato

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE