WONKの江﨑文武が語る、常田大希や石若駿ら同世代と共有してきた美意識

WONKとしての展望
「4人のバンドである」

ーでは、そんな中でWONKは今後どうなっていきたいと考えていますか?

江﨑:WONKは、まずは「4人のバンドである」という部分の強度を高めていきたいと思っています。origami PRODUCTIONSの方々の動きとかを見てると、国内で個を確立した上で、海外では世代感やシーンを意識して、フィーチャリングで客演を呼んだりしてる。WONKもそうありたいというか。「日本にWONKっていうカラーの強いバンドがいるらしい」ということが広まって、例えばシンガポールのアーティストと一緒に曲を作るとか、もっとグローバルに活動を広げていきたいですね。僕らは海外のいろんなビートメーカーの曲とかを知ってるのに、日本のミュージシャンの音楽は全然海外に届いてないっていうのは、すごい悔しくて。


WONKの荒田洸と長塚健斗がOvall(origami PRODUCTIONS所属)の楽曲を再解釈した「Stargazer Rework」

ーその意識っていうのは、同世代が共有しているものでしょうね。millennium paradeやAnswer to Rememberもそのための一手でもあると思うし。

江﨑:まさに、問題意識は共有していますね。そもそも日本のバンドシーンって、キャラクターとかカラーが際立ってる人が少ないと思うんです。Perfumeさんとかきゃりーぱみゅぱみゅさんって、「日本ってこういう感じ」っていうイメージとかカラーとしっかりマッチして、海外に届けられてると思うから、そういう部分で学ぶところは大きいと思っていて。僕らもただ「いい音楽を作りたい」だけじゃなくて、もっと自分たちのカラーをバシッと出せるようになりたい。今はそういうフェーズに入ってますね。


Ayatake Ezaki’s Instruments


Photo by Kana Tarumi

Nord Electro 3
福岡市の成人式で演奏することになって、親に成人祝いで買ってもらいました。当時はバンドマンになるなんて思ってなくて、ずっと自宅に置いてあったんですけど、WONKを始めてから欠かせない存在になってますね。やっぱり弾き心地がいいし、見た目もかっこいい。



Photo by Kana Tarumi

Crumar Seven
イタリアのCrumarというメーカーのエレピで、クラシックな見た目なんですけど、Wi-Fiに繋がるので、音色の入れ替えが全部Wi-Fi経由でできるんです。昔のローズみたいに上に蓋があり、生活空間の中でインテリアとして邪魔にならないものがないか探していたときに、イタリアからドイツを経由して東京に持ってきてもらいました。(Photo by Kana Tarumi)



Photo by Kana Tarumi

ROLI Seaboard RISE 49
イギリスのROLIというスタートアップが作っている楽器。全部シリコン製の鍵盤で、要は鍵盤と鍵盤の間の音が出せるんです。鍵盤奏者って、ソロに関してはギタリストに憧れがあるんですよ。チョーキングとかを駆使して歌うように弾くのって、普通の鍵盤ではできないので。でも、これは鍵盤に圧力のセンサーが入っていてより直感的に弾けるので、ギタリストのようなソロがようやく実現できるようになったんです。



Photo by Kana Tarumi

YAMAHA DX7
母親は社会人になってから音楽教室に通ってDX7を買ったらしくて、福岡の実家にはこれと同じものがあり、僕はそれでピアノを弾き始めました。その頃は普通のピアノが弾きたいと思ってたけど、いつからか西海岸の方たちによってDX7がフィーチャーされるようになって、WONKでも“Orange Mug”でDX7の音を使ってます。当時から20年くらい経って、またよく弾くようになるとは(笑)。




WONK
4th ALBUM『EYES』
2020年6月17日(水)発売
https://store.epistroph.tokyo/products/wonk-eyes-artbook-cd

Edited by Yukako Yajima

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