ローリングストーン誌が選ぶ「アニメーション映画」ベスト40

Everett Collection (4)


28位『ウォレスとグルミット ペンギンに気をつけろ!』(1993)

心配性の発明家ウォレスと相棒の愛犬グルミットは、映画史屈指の最強お笑いコンビのひとつだ。『ウォレスとグルミット ペンギンに気をつけろ!』では、ウォレスとグルミットが——胴体を作るために忍耐強く色つきクレイをこねる職人の手とともに——自動ズボンこと“テクノズボン”で武装したサイコパスふうのペンギンを相手に壮大なバトルを繰り広げる(何それ? と思う人もどうか黙って続けさせてほしい)。ニック・パーク監督とアードマン・アニメーションズのクルーといえば、動物園の飼育動物たちが檻のなかでの生活をあけすけに語るクレイアニメの名作『快適な生活〜ぼくらはみんないきている〜』(2003年)でお馴染みだ。ウォレスとグルミットが暮らす心地良さそうな英国ふうコテージの壁紙などのディテールに注がれた労力にも注目してほしい。SA

27位『戦場でワルツを』(2008)

ドキュメンタリー的手法を得意とするイスラエルのアリ・フォルマン監督は、伝統的な実写映画づくりに慣れ親しんでいた。そんなフォルマン監督がアニメーション作品『戦場でワルツを』の題材に選んだのは、記憶の捉えがたい本質——とりわけ1982年にレバノン内戦で兵士として戦って以来、監督と友人たちが心にとどめ続けた記憶——を追求しようとした。劇中でのフォルマン監督と友人たちの会話を通じ、監督自身の記憶がゆっくりと明らかになるにつれて作品はますます陰鬱な雰囲気を増す。それは、同作が全編アニメーションによるものだからだ。通常のドキュメンタリーであれば、インタビューに答えている人の映像と再現映像を往復させる手法によって現在と過去の境界線が曖昧になる。その結果、同作は個人の体験、政治的抗議、優美さが織りなす幻覚的かつ不安に満ちた心の叫びを描いている。AW

26位『バンビ』(1942)

ディズニーの歴史を紐解くと、そこには忘れがたい——というよりは、悪評高いと言うべきかもしれない——シーンがいくつかある。ハンターに撃たれた母鹿が幼いバンビを残して死んでしまうシーンはそのひとつだ。だが『バンビ』には、命に対する美しくも詩的で前向きなメッセージが込められていること、そして死も必然であることを忘れてはいけない。命があるからこそ、緑あふれる自然界で家族や友人との絆を育めるのだ。母鹿の死によってバンビが無垢でいられる時代は終わったかもしれないが、同作は成長すること、知識を得ること、自らの4本の脚で立つことの大切さを教えてくれる。ST

25位『サウスパーク/無修正映画版』(1999)

厳密に言うと、『サウスパーク/無修正映画版』は今回のリストのなかで飛び抜けて下品でありながらも一番あか抜けた作品だ。原作者のトレイ・パーカーとマット・ストーンは、素朴なカットアウト・アニメーションをこよなく愛しているだけでなく——“無修正映画版”というサブタイトルは、彼らが生み出した下ネタのなかでももっとも単純明快なものかもしれない——2人は鋭い目を持った巧みな風刺作家であり、狙いは絶対外さない。魔王サタンとベッドをともにする元イラク大統領サダム・フセインの描写からパーカーとストーンがタッグを組んだブロードウェイ大ヒットミュージカル・コメディ『ブック・オブ・モルモン』を予告するような完璧なミュージカル作品の模倣まで見どころ満載だ。レジスタンス万歳! と叫びたくなる作品である(パンチとパイも忘れずに)。SA

Text: Sam Adams & Charles Bramesco & Tim Grierson & Noel Murray & Jenna Scherer & Scott Tobias & Alissa Wilkinson / Translated by Shoko Natori

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