マライア・キャリー、心を揺さぶる感動パフォーマンス15選

グラミーで見せたマライアの復活劇

12:「リフレクションズ」

過小評価されている映画『グリッター きらめきの向こうに』のサントラからの、これまた過小評価されているバラード「リフレクションズ」。この曲をマライアがパフォーマンスしたのは、CBSの特別番組『A Home For the Holidays』が最初で最後だった。ゴールデンタイムに放映されたこの番組のテーマは、養子縁組や里子制度への意識向上。マライアはどちらも経験していないが、あっさりしたピアノ曲の歌詞ほどふさわしいものはなかろう。「私のこと本当に大事だったの?」と彼女は歌う。パフォーマンスの終盤のマライアは見るからに感傷的。観客席でも目を潤ませない人はいなかった。




13:「スルー・ザ・レイン」

2003年のアメリカン・ミュージック・アワードは、『グリッター』で「挫折」を味わった後、マライアが初めて授賞式で歌ったステージのひとつ。幼少期の写真や新聞記事の見出しが背後のスクリーンに映し出される中、マライアはオーケストラと聖歌隊をバックに、カムバックシングル「スルー・ザ・レイン」を力強く歌った。チャートでの結果はいまひとつだったが、嵐を切り抜けたマライアが、今までで最高の姿で戻ってきたことを証明したパフォーマンスだった。




14:「ウィー・ビロング・トゥゲザー」「フライ・ライク・ア・バード」

アルバム『MIMI』の大健闘で、マライアは2016年のグラミーで女性アーティストとしては最多ノミネーションを獲得した。前作『チャームブレスレット』のセールスはさんざんだったが、このアルバムは批評家からも商業的にも高く評価された。気迫のこもった「ウィー・ビロング・トゥゲザー」から始まるこのメドレーで、マライアはこの日唯一のスタンディングオベーションをかっさらった。この曲はグラミー2部門、アルバム『MIMI』は最優秀コンテンポラリーR&Bアルバム賞を受賞した。音楽界最大のステージで、ミュージシャン仲間やファンを前に、マライアの復活劇が完結した。




15:『ヒーロー』

パンデミックのさなか、パフォーマンス用に自宅に風を送るマシンを置いているなんてキャリーだけだろう。ありがたいことに、自宅待機中に『Live at Home』スペシャル企画でコロナウイルスのパンデミックの最前線で戦う人々へ思いを捧げたときも、お馴染みディーバぶりは健在だった。ピアニストのリモート演奏の助けを借りながら、彼女は1993年のバラードを熱唱。この曲を届けたいヒーローたちへの想いと敬意をこめて、1音1音しっかり歌った。




【画像】マライアも裸に ローリングストーン誌の表紙で脱いだスターたち



Translated by Akiko Kato

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